主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月10日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼9日(水)の為替相場
(1):RBNZ 大幅利下げに踏み切る
(2):中国の財政出動期待高まる
(3):ECB内で利下げ意見割れる
(4):FOMC議事録公表
▼9日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:利下げペースを巡り米CPIに注目集まる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(水)の為替相場
期間:9日(水)午前6時10分~10日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBNZ 大幅利下げに踏み切る
NZ中銀(RBNZ)が50bp(0.50%ポイント)の大幅利下げに踏み切ったことでNZドルが下落。利下げに慎重な豪中銀(RBA)とのスタンスの違いが意識されて豪ドル/NZドルが急騰すると豪ドル/円も上昇した。ただ、NZドル/円急落の影響もあって伸び悩んだ。
(2):中国の財政出動期待高まる
中国の財務相が12日午前10時(日本時間11時)から財政政策の強化について記者会見を行うと伝わると、財政出動への期待から香港株が一時上昇に転じたほか上海株が下げ幅を縮小。リスクオンの流れに傾き円売りが優勢となった。ただ、その後は香港株が再び下げるなど、中国株の値動きが不安定となる中で円売りは一服した。
(3):ECB内で利下げ意見割れる
ベルギー中銀のウンシュ総裁は「欧州中銀(ECB)は、10月の利下げ必要か現時点で不明」「成長率は低いがインフレ率はまだ高過ぎ、地政学的な緊張がエネルギー価格を押し上げている」などと利下げに慎重な考えを示した。スロバキア中銀のカジミール総裁も「メディアほどの確信はない」として利下げに抵抗感を示した。一方、これより前には仏中銀のビルロワドガロー総裁が「来週ECBが利下げを行う可能性は非常に高く、さらにこれが最後になる訳ではない」などと発言。理事会直前になってもECB内で利下げに対する意見が割れていることが浮き彫りになった。
(4):FOMC議事録公表
米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月会合の議事録を公表。「大多数の当局者が50bpの利下げを支持した」ものの、「数名が25bpの利下げを支持した」ことが明らかになった。ドルはFOMC議事録に対して直接的な反応こそ示さなかったが、10年債入札の不調などを受けて米長期金利が上昇する中で堅調推移が続いた。