外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年10月11日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼10日(木)の為替相場
(1):日銀副総裁「あらかじめ決められたコースはない」
(2):ECB議事録公表
(3):米経済指標で乱高下
(4):アトランタ連銀総裁「利下げをスキップしても問題ない」

▼10日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:調整含みの展開を予想/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

10日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
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期間:10日(木)午前6時10分~11日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日銀副総裁「あらかじめ決められたコースはない」

日銀の氷見野副総裁は「(経済・物価の)見通しが実現するより高い確度が得られれば、金融緩和の度合いを修正する」と強調。ただ、利上げ判断は「経済活動や物価、金融情勢の動向次第だ」と指摘した上で、「あらかじめ決められたコースはない」と述べた。

(2):ECB議事録公表

欧州中銀(ECB)は9月理事会の議事録を公表。「今後(の金利)については、発表されるデータが基本シナリオに沿ったものであれば、段階的に景気への制限を緩和していくアプローチが適切だろう。同時に、調整のスピードについてはオプショナリティー(選択性)を維持すべきだ」「インフレ問題が解決したと完全には確信できないため、現在は段階的かつ慎重なアプローチが適切だと思われる」として慎重に利下げを進める姿勢を示した。

(3):米経済指標で乱高下

米9月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.2%、前年比+2.4%といずれも市場予想(+0.1%、+2.3%)を上回る伸びとなった。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+3.3%と予想(+3.2%)を上回った。総合CPIの前年比の伸びは前月(+2.5%)から鈍化したが、コアCPIは前月(+3.2%)から加速した。同時に発表された米新規失業保険申請件数は25.8万件と前週(22.5万件)から急増し、市場予想(23.0万件)を大幅に上回った。ドルはCPIへの反応で初動は上昇したが、新規失業保険申請件数の増加を受けて急落するなど乱高下した。なお、新規失業保険申請件数の増加については、9月末に米南東部を襲ったハリケーン・へリーンの影響との見方も出ていた。

(4):アトランタ連銀総裁「利下げをスキップしても問題ない」

ボスティック米アトランタ連銀総裁は「最新のインフレおよび労働市場のデータにより、米連邦準備制度理事会(FRB)は忍耐強くなれる」「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」と述べた。一方、これより前にNY連銀のウィリアムズ総裁は「月ごとの変動はあるが、インフレ率はかなり着実に低下している」「この先、金融政策スタンスを時間をかけてより中立的にするプロセスを続けることが適切になるだろう」と述べて、CPIが上振れしても利下げの継続が妥当との考えを示した。