トルコリラ見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「今年はリラ円相場に異変、スワップ金利より小さな下落」トルコリラ見通し
 
(通貨最下位、株価4位)   
予想レンジ トルコリラ/円4.1-4.6

*今年はリラ円相場に異変、スワップ金利より小さな下落
*10月月間のリラはここまで4位、株価は弱く首位陥落
*今週の政策金利は据え置きか
*8月失業率改善
*8月の経常収支は黒字拡大
*8月小売改善、工業生産は減少
*トルコを世界に売り込む努力は継続
*リラ安は例年ほど大幅ではない
*トルコ国民は外貨預金でインフレ自己防衛
*財務大臣は独に投資呼びかけ
*トルコの格付けをBB-に引き上げ
*IMFは成長見通し引き上げ
*フィッチは2024年のトルコの成長率を上方修正
*海外投資家は、最も速いペースでトルコ国債を購入
*エルドアン大統領、第三次世界大戦に警鐘を鳴らす

(今年はリラ円相場に異変、スワップ金利より小さな下落)
 今年も4分の3が終ったが、リラ円の相場に異変が起きている。今年も12通貨中最弱で10年連続で年足が陰線となりそうだが、その下落幅が小さい。2015年から毎年二桁%以上下落していたが、今年は現時点で8%程度の下落で10年ぶりに一桁%の下落になる可能性がある。

シムシェキ財務大臣の正統派の金融財政政策と50%まで引き上げられた政策金利の効果が出始めている。
 これまでの下げ幅が大きすぎたこともあり、今年も下落しているので話題にはあまりなっていないが、漸くスワップ金利を下回る下落になりそうだ。

トルコリラ見通し
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(10月月間のリラはここまで4位、株価は弱く首位陥落)
 10月月間はここまでリラは円に対して4位。ただ、インフレ低下のペースが予想より遅く、11月利上げ予想が12月-1月に先送りされそうなこともあり、一時、年初来50%高だったイスタンブール100株価指数が16.45%高まで伸び幅を縮小している。
 10年国債利回りは29.52%で高止まりしている。

(今週の政策金利は据え置きか)
 今週17日の政策金利決定では50%の据え置きが予想されている。
トルコ中銀は9月のインフレが予想を上回ったことを受けて、12月か1月まで利下げを延期する可能性が高いとされている。9月の月間インフレ率は予想よりはるかに高く約3%だったが、年間インフレ率は49.4%に低下した。

主なリスクは、エネルギー価格の持続的な上昇であり、インフレ圧力が継続し、第1四半期への最初の動きが遅れる。また教育関連費用の影響もあって先月の価格上昇率が予想以上に高かったことを受けて、カラハン中銀総裁は、「2つの主要インフレ目標を達成するまでには「まだいくらかの距離がある」と述べた。

その2つの条件とは、月間インフレ率の主要傾向が大幅かつ恒久的に低下することと、期待値が中銀の予想範囲に収束することだと述べた。
サービス業はトルコのデフレーションに対する「主要なリスク」であり続けるが、「下降傾向は続くはずだ」との見方を伝えた。

(8月失業率改善)
トルコの失業率は8月に8.5%に低下した。7月は8.8%。
男性の失業率は7%と推定され、女性は11.4%だった。
15~24歳の若者の失業率は前月比0.1ポイント上昇し、16.5%となった。
ユルマズ副大統領は、前年同月比で雇用が増加していることを指摘し、労働市場は「引き続き均衡を保っている」と強調した。
「経済活動の安定傾向にもかかわらず、失業率は減少し、就業者数と就業率は上昇した」と述べた。

(8月の経常収支は黒字拡大)
トルコの8月の経常収支黒字は、前年同月の4億8,900万ドルから43億2,400万ドルに大幅に拡大した。貿易収支の赤字は前年同月の71億4,800万ドルから8月には29億1,100万ドルに大幅に縮小し、サービス収支の黒字は84億9,300万ドルから86億9,600万ドルに増加した。