日本の紙幣デザインといえば、歴史的な「偉人」が定番である。しかし、世界に目を向けると、紙幣に描かれるモチーフは必ずしも偉人だけではない。各国の紙幣には、その国の歴史や文化が反映されており、建築物や神話のキャラクターなど、さまざまなデザインが採用されている。
本記事では、偉人が描かれている国やその理由を探り、さらに偉人以外がモチーフとして描かれている事例も紹介する。また、未来の紙幣デザインがどのように進化していくのか、その可能性についても考察する。
偉人だけじゃない ! 紙幣に描かれる多様なモチーフ
紙幣のデザインは国によってさまざまであり、その選ばれ方にも独自の背景がある。単に通貨としての役割を超え、国民のアイデンティティや歴史、文化を反映する重要なシンボルとなることが多い。
偉人が描かれている国・その理由は ?
アメリカやイギリス、日本などでは、歴史的な偉人が描かれた紙幣が流通している。これらの国では、その国の独立や歴史、経済成長に重要な役割を果たした人物が選ばれることが多く、また文学や科学、芸術といった分野で著名な人物が紙幣に登場するケースも見られる。
国や時代によってケース・バイ・ケースではあるが、「紙幣に偉人を描くことで、その肖像を通じて国民にメッセージを伝えたい」という意図を含んでいることもある。例えば著名な経済学者が描かれる場合は、「経済はその国の近代化に大きな貢献を果たす」というメッセージを強調したいという狙いが考えられる。
また、新たな紙幣が発行される際には、過去のデザインを踏襲し、「これまでの紙幣は偉人をデザインしていたから次の紙幣でも偉人を……」といったケースも見受けられる。例えば、2024年7月3日から流通が始まった日本の新紙幣も、これまでと同様に偉人の肖像が描かれている。
偉人が描かれていない国・その理由は ?
一方で、紙幣に偉人の肖像を採用していない国も多く存在する。例えばユーロ紙幣には、特定の人物は描かれていない。これは、特定の国の人物を取り上げると、欧州統合の理念に反する恐れがあるためだ。
そのため、欧州の偉人として名の知られるナポレオンやレオナルド・ダ・ヴィンチなどは採用されておらず、代わりにヨーロッパの各時代に広く見られた普遍的な窓や門といった建築物がデザインされている。
伝説や神話が描かれる場合も
一部の国では、伝説や神話に登場するキャラクターが紙幣に描かれており、その国の文化的な価値観や物語を伝える役割を果たしている。
例えばメキシコでは、蛇をくわえたワシが止まったサボテンの場所に都が築かれ、それが現在のメキシコシティであるという伝説がアステカ神話として伝えられており、そのアステカ神話に登場するワシが紙幣や貨幣に描かれている。
未来の紙幣デザインはどうなる ?
各国の紙幣は、さまざまな背景や歴史、文化的な要素に基づいてデザインされている。では、今後の紙幣デザインはどのように変化していくのか、2つの視点から考察してみよう。
デジタル通貨が普及していくと ?
まず、デジタル通貨がさらに広がっていった場合、紙幣の役割はどのように変わるのだろうか。現在、電子マネーや暗号資産の世界では、特定の単位に対して「1,000円札」のようなデザインが存在しない。この傾向が続くと、デジタル通貨における金銭的価値は、数字としてのみ扱われ、デザインの存在はますます薄れていく可能性がある。
つまり、デジタル通貨の世界では、紙幣デザインという概念が消え、視覚的な要素はなくなるかもしれない。
世界共通の紙幣デザインが登場する未来は ?
1999年にユーロ圏で単一通貨「ユーロ」が登場したように、通貨統合の動きが今後も進むと、将来的に世界共通の紙幣デザインが登場するかもしれない。
しかし、ユーロ硬貨のように一定条件下で加盟国各国が異なるデザインを起用してもいいルールが設けられた場合はどうだろか。このようなケースでは、「表面は統一デザインだが、裏面は各国ごとに自由にデザインできる」といった運用が考えられる。
こうした柔軟なルールにより、世界共通の通貨であっても、各国のアイデンティティや文化を反映した独自のデザインが生き続ける可能性もある。
外貨に関心を持つことから始める資産運用
海外の紙幣や外貨に関心を持つことは、その国の経済や文化を理解する手助けとなり、資産運用を始める良いきっかけにもなる。紙幣のデザインを通じて、各国の経済状況や歴史を学ぶことで、外貨そのものに対する理解が深まり、実際に外貨を活用した資産運用を考える一歩になるだろう。
具体的な資産運用の方法として、外貨預金が挙げられる。外貨預金は、円預金に比べて高い金利が期待できるだけでなく、為替の変動を活用して利益を得るチャンスもある。例えば、円高のタイミングで外貨を預け、円安時に引き出すことで、為替差益を狙うことが可能だ。
また、外貨預金は、老後の資産形成やリスク分散の手段としても有効である。海外の紙幣や外貨に関心を持ち始めた今こそ、外貨預金を通じて資産運用をスタートしてみてはいかがだろうか。
(提供:大和ネクスト銀行)
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