主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年2月4日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼3日(月)の為替相場
(1):日銀主な意見公表
(2):中国製造業PMIは低下
(3):ユーロ圏HICPは伸びが加速
(4):ISM製造業 久々の好況示す
(5):メキシコへの関税賦課先送り
(6):カナダの関税も先送り
▼3日(月)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感を見出しにくそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
3日(月)の為替相場
期間:3日(月)午前7時00分~4日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀主な意見公表
日銀は金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)を公表。「物価安定の目標の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融政策の度合いを調整することが適切である」としたほか、「経済・物価がオントラックであれば、それに応じて、引き続き利上げをしていく」姿勢を示した。また、「円安是正が過度に進むといったリスクにも相応の注意が必要である」との意見も見られた。
(2):中国製造業PMIは低下
中国1月財新製造業PMIは50.1と市場予想(50.6)に反して前月(50.5)から低下した。
(3):ユーロ圏HICPは伸びが加速
ユーロ圏1月消費者物価指数(HICP)・速報値は、前年比+2.5%と市場予想や前月(ともに+2.4%)を上回る伸びとなった。また、食品とエネルギーを除いたHICPコア指数は前年比+2.7%と市場予想(+2.6%)を上回り前月から横ばいだった。
(4):ISM製造業 久々の好況示す
米1月ISM製造業景況指数は50.9と市場予想や前月(50.0、49.2)を上回った。好不況の分岐点となる50.0を上回るのは22年10月以来2年3カ月ぶり。構成指数では雇用が7カ月ぶりに50.0を上回るなど、すべての項目が50.0を上回った。
(5):メキシコへの関税賦課先送り
メキシコのシェインバウム大統領は米国のメキシコへの関税発動が1カ月先送りされることを発表。その後トランプ米大統領もメキシコへの関税賦課を先送りし、今後1カ月の間で交渉が行われると述べた。
(6):カナダの関税も先送り
カナダのトルドー首相が米国とカナダとの国境警備を強化することで、米国によるカナダへの関税発動を最低でも30日延期することに合意したと発表。カナダドルを中心にクロス円は上昇した。ドル/円はストレートドルの下落(ドル売り)の影響とクロス円の上昇、双方に引っ張られたため、方向感は出なかった。