人民元見通し
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「世界の中銀が金、ユーロ、人民元にシフト」人民元見通し

(通貨10位、株価13位=上海、香港ハンセンは3位)

予想レンジ 人民元/円 20.0-20.5

(ポイント)
*世界の準備資産が金、ユーロ、人民元にシフト
*ドルと連動しているので弱い
*香港ハンセン22%高と強い
*高成長維持へ、消費主導モデルへの移行、李首相
*LPR据え置きの理由
*台湾は「国」だ、頼総統が中国に反論
*対米関税問題を避けるため積極外交を展開している
*小売売上好調。鉱工業生産やや弱く、対米輸出は大きく落ち込む
*米国は何故貿易協議を急いだのか レアアースのサマリウム需要に他ならない
*米中貿易合意の詳細はまだ発表されず。習首席の発言もない
*5月消費者物価は4か月連続で低下、前年比で0.1%低下

(ドルと連動で弱い。香港ハンセン22%高)
 今月はここまで8位、ドルが10位。年間では人民元は年初来10位、11位のドルと共に歩む。上海総合指数は年初来3.11%高、香港ハンセン指数は22.01%高。10年国債利回りは1.65%。

(世界の準備資産が金、ユーロ、人民元にシフト)
 世界各国の中央銀行準備金の管理者は、米ドルから金、ユーロ、人民元へのシフトを検討している。国際通貨金融機関公式フォーラム(OMFIF)が発表する報告書によると、昨年の調査では米ドルが最も人気のある通貨だったが、今年は7位に下がった。この脱ドル化の波の中で、ユーロと人民元が最も人気のある通貨となっている。

トランプ大統領が4月2日に「相互関税」を発表したことで市場が大混乱に陥り、安全資産とされてきたドルと米国債が下落した影響が浮き彫りになった。
 通貨に関してはユーロと元がドルからの分散投資によって最も恩恵を受ける。

16%が今後12-24カ月間にユーロ保有を増やす計画があると回答。前年の7%から上昇し、14%の元がそれに続いた。
 しかし、今後10年間では元がより好まれ、ネット30%が保有を増やす見込みで、世界の外貨準備に占める元の割合は3倍の6%に上昇しそうだ。

人民元見通し
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(高成長維持へ、消費主導モデルへの移行、李首相)
 李強首相は、国内経済について「比較的急速な」成長率を維持できると確信していると述べた。世界経済フォーラム(天津での夏のダボス会議)で講演を行った。
 「中国経済は第2四半期に着実な改善を見せた」と指摘。「国際環境がどのように進展しようとも、中国経済は一貫して力強い成長モメンタムを維持している」と語った。
 「われわれは中国が製造大国から巨大な消費市場へと移行するのを支援しようとしている」と説明。「これにより、多くの国の企業にとって未開拓の広大な市場が開かれることになる」とした。

(LPR据え置きの理由)
人民銀行は、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(LPR)を予想通り据え置いた。
 1年物は3.0%、5年物は3.5%。
 米国と中国は、貿易に関する枠組みで合意し、貿易摩擦が緩和の兆しを見せていることから、追加刺激策を打ち出す緊急性は低下したが、米中の政治・経済問題を巡る不確実性が依然として高いため、中国政府は景気刺激策を温存したい意向。