皆さん初めまして、元債券市場参加者のgelです。
債券市場に携わった人間として、個人の方にはなかなかとっつきにくさのある
債券市場の本当の姿を分かりやすく伝えていければと思っています。

【参考】

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◉証券会社にとって旨味のある債券市場


証券会社等の決算発表の時に「債券の売買益が収益に貢献した」なんて言葉を耳にされたことはあるでしょうか? 実際ここ数年来、証券会社の収益を支えているのは株式ではなく債券なのです。

日本国債の金利は、リーマンショック以来10年債で1%以下という水準でほぼ推移しているのですが、これを見て「そんな低金利でどうやって儲けるの?」と思われた方も多いのではないでしょうか?確かに、金利だけを見ると年間1%しか儲からないように思います。ただ、あくまでそれは「ずっと債券を保有し続けていたら」の話なのです。

実は債券にも株と同じく「価格」というものが存在していて、その値動きで利ざやを稼いで儲けているのです。
「売買で利ざやを稼ぐ」というと、何となく株の方がたくさん儲かりそうな気がしそうですよね。でも、実際には証券会社にとっては債券の方が儲けやすいのです。
これにはいくつか理由があるのですが、今回は基本的な考え方について説明しましょう。


◉証券会社は「八百屋」と同じ!?


証券会社は債券市場においては「八百屋」とよく似ています。ちなみに専門的には「相対取引」というのですが、ここが株と大きく違うところなのです。
株式の世界では基本的に「取引所取引」といって株は取引所で売買され、証券会社はあくまでその「仲介」を行うだけで、その仲介手数料を主な収入をしています。
(もちろんそうでないケースも法人取引などではありますが、今回は省略します。)

手数料をもらって仲介をするだけですから、ある意味「賃貸マンションなどの不動産業者」と似ていると言えます。 賃貸マンションの不動産業者などはあくまで大家さんから依頼を受けた物件を紹介して、成約させてその手数料で儲けるビジネスですよね。
株式においても同じで、彼らは基本的に自分でポジションをとったりはしない、つまり自分自身が株を買ったり売ったりする訳ではないので損するリスクは少ない。ただし儲かるのは決まった割合の仲介手数料だけ。
いわゆる「ローリスクローリターン」のビジネスなのですね。

ところが債券市場にはこういった誰もが参加できる「取引所」というものは存在しません。主に先程述べた「相対取引」で売買されます。取引所がないので、証券会社は債券ビジネスをやる際には自分で「仕入れ」をして投資家に販売していく必要があるのです。
つまり証券会社の儲けは、「損益=売値-仕入れ値」ということになります。まるで八百屋みたいですよね。