SMAと類似の金融サービス“ファンドラップ”についてのまとめと比較をお届けします。

ファンドラップ(Fund Wrap)は、投資一任運用サービスの一種となります。顧客のリスク許容度や投資目的に合わせて、金融機関の専門家のアドバイスをもとに異なるタイプの複数の投資信託を選び、これらを組み合わせて運用するサービスが一般的です。

ファンドラップの特色やそのメリットとデメリット、そして各社毎の比較をまとめてみます。

【参考】
最低金額1000万~3億円まで、富裕層向け金融サービス“SMA”の各社比較

ファンドラップの特色

ファンドラップは、ファンド(投資信託)での運用ですので、通常の投資信託と同様、運用期間中は信託報酬がかかります。しかし、購入時の販売手数料はかかりません。その代わりに、契約資産の時価評価額に応じて、一定額のファンドラップフィーが徴収されることになります。

すなわち、本サービスを利用する際には、投資信託の信託報酬に加えて投資顧問料が必要となります。これは合計で投資金額の2%から最大4%前後になるため、それだけのコストを毎年支払ってまで利用する価値があるかが判断のポイントになります。

一般に、ファンドラップと似たようなサービスとして、前回説明をしたSMAがありますが、これは最低運用額(契約金額)が数千万円~数億円程度の設定が多く、富裕層が対象です。これに対して、ファンドラップは、契約金額が数百万円から利用できるものもあり、SMAと比べて利用しやすくなっています。しかし、最低数百万円はやはりまだプレミアムサービスと言って金額かもしれないですね。

【参考】
1000万円以上預けると優遇を受けられるプレミアムバンクの比較

ファンドラップのメリットとデメリット

まずメリットですが、投資を一任しているので、あれこれ考える必要がなく任せることが可能です。また専任の担当者がつくケースも多いので、良い担当の方に当たった場合はきめ細かいフォローを受けられるかもしれません。また、SMAなどのラップ口座に比較して、最低預入額が少ないため気軽に始めることが可能です。

一方、デメリットですが、やはり自分で投資信託を購入する場合と比較してコストは高くなってしまいます。投資信託を購入する場合ですが、信託報酬と投資顧問料を合わせると手数料率が4%近くなる例もあります。

例えば、合計手数料率が3%だった場合、1000万円の資金を預けると年間で30万円ほどになります。このくらいの金額ですと、その予算をFPの方に支払い運用コストの安いETFで投資をするという選択肢と検討しても良いのかもしれません。

各社ファンドラップのまとめと比較

それでは各社ファンドラップの概要を見ていきましょう。なお、以下の費用に関わるパーセンテージは全て年率になります。

いちよし証券「ファンドラップ Dream Collection」

契約金額は300万円以上で、投資顧問報酬は最大で運用資産の年0.24192%、口座管理手数料最大で年1.2960%です。標準コースと金利・配当重視コースがあり、標準コースはリスクの大きさごとに5つの運用モデル、金利・配当重視コースは為替リスクごとに3つのタイプが用意されています。

SMBC日興証券「日興ファンドラップ」

契約金額は300万円以上で、投資対象、売買時期、投資判断などを全て任せるサービスです。手数料はファンドラップ手数料と投資一任報酬の合計が最大1.296%となります。主な投資対象は、日興グローバルラップが投資助言を行っているバンク・プリヴェ・エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・ヨーロッパが運用するファンド・オブ・ファンズ(FOF)です。また、ポートフォリオの資産区分は株式、債券、代替資産(オルタナティブ、REIT=不動産投資信託、コモディティ=商品)が中心となります。

大和証券「ダイワファンドラップ」

ファンドラップは契約金額300万円以上で、ダイワファンドラップ専用の投資信託を対象とします。「ベスト運用スタイル型」は1つの運用スタイルを提案し、「マイ運用スタイル型」では複数の運用スタイルから選択できます。ポートフォリオにはREITやヘッジファンドも組み入れることができます。安全性を重視する「退職金向けスタイル」では、日本債券の組み入れ比率を半分以上にし、ポートフォリオの内容は債券、株式、コモディティです。投資顧問料と取引等管理手数料を合わせたファンドラップ・フィー(報酬)の年率は、時価評価額の最大1.512%です。

野村證券「野村ファンドラップ」

「プレミア・プログラム」は、市場指数を上回る収益を目指すアクティブ運用専用投資信託で、契約金額が1000万円以上です。「バリュー・プログラム」は、市場指数と同等の収益を目指すインデックス運用専用投資信託で、契約金額は500万円以上です。

投資一任受任料は、固定報酬制では運用資産の最大年率0.4104%で、実績報酬併用制では運用資産の最大年率0.2052%と運用益の10.8%です。ファンドラップ手数料の年率は運用資産の最大1.26%です。

みずほ証券「みずほファンドラップ」

契約金額は500万円以上です。顧客のリスク許容度に運用コースを選ぶ「ファーストステップ」と、中長期的に安定した運用成果を目指す「マイ・ゴール」の2種類があります。ファーストステップは安定型、安定成長型、成長型、積極型、積極拡大型の運用コースから選びます。マイ・ゴールは5つの運用コースそれぞれに6つの運用タイプを用意しています。投資対象の資産区分は株式、債券、グローバルREIT、コモディティです。手数料は固定報酬型では資産評価額の最大年率1.620%で、成功報酬型では資産評価額の最大年率1.296%と実質リターンの10.8%です。ファーストステップは固定報酬型のみ、マイ・ゴールは固定報酬型と成功報酬型のどちらかを選ぶことができます。

三井住友銀行「SMBCファンドラップ」

契約金額は300万円以上で、SMBC日興証券と投資一任契約を締結し、そこにファンドラップ口座を作ります。運用資産は国内外の株式、債券、REIT、コモディティ、ヘッジファンドなどです。手数料は、固定報酬型では純資産額の最大年率1.512%で、成功報酬併用型では純資産額の最大年率1.188%と成功報酬10.8%です。

三井住友信託銀行「三井住友信託ファンドラップ」

契約金額は500万円以上です。ヘッジファンド、不動産投資信託、コモディティも組み入れることができます。費用は、固定報酬型では時価残高の上限年率1.5120%で、成功報酬併用型では時価残高の上限年率1.0044%と運用成果額の16.20%です。

三菱UFJ信託銀行「資産運用口座(番頭さん)」

契約金額は3000万円以上で、「資産運用口座(ベーシック)」の契約金額は1000万円以上です。安定、安定成長、成長、積極、積極拡張の投資スタイルから選択し、投資顧問料と残高手数料の合計年率は、時価評価額の最大1.73%です。

水戸証券「水戸ファンドラップ」

契約金額は500万円以上で、運用コースは安定型、やや安定型、中立型、やや積極型、積極型です。ロスカット有りと無しが選べ、運用コースにより15%、20%または30%です。投資顧問料と口座管理料の合計は、固定報酬のみのタイプでは最大年率2.16%で、固定報酬・成功報酬併用タイプでは時価評価額の最大年率1.62%と運用益の10.8%です。

ファンドラップやSMAはオーダーメイドが可能な金融サービスですが、その程度は会社ごとに異なるようです。SMAがフルオーダーメイドでファンドラップがセミオーダーの会社もあれば、その逆の会社もあります。それぞれ最低預入額はSMAの方が高いなどの違いもありますので、相性の良いサービスと担当者を見つけられるかが重要になりますね。(ZUU online 編集部)

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