賃上げ③ (2)

1月19日、野村ホールディングス <8604> 傘下の野村證券は、優秀な人材の確保、および、消費を促して日本経済の好循環の持続に貢献することを目的に若年層社員の給与水準を引き上げることを発表した。

総合職A社員、総合職B社員の初任給は2万円程度引き上げられ、232,300円となる。また、若年層が中心の「初級職」、「業務職」の月例給与を対象社員平均で約2.3%引き上げる。2014年4月にも給与の引き上げを実施しており、これと合わせると2年間で約4.5%の引き上げになる。

野村総合研究所の調べでは、2014年における投資信託の資金流入額が7兆円弱に達するなど、アベノミクスや日銀黒田総裁による量的緩和政策の継続等により、株式市場は活発だ。野村ホールディングスが2014年10月に発表した連結決算においても、顧客資産残高は99.3兆円と過去最高を記録し、株式、投資信託、投資一任の総募集買い付け額が前四半期比20%増加するなど、その好調ぶりがうかがえた。また、業界2位の大和証券グループが新年度から、国内の全社員を対象に給与を月額平均で2%程度引き上げる方針だ。

業績回復が鮮明な自動車業界でもベースアップの動きが広がっている。1月18日にはマツダ労働組合は月額平均6,000円のベースアップ(賃金改善分)を求めることを発表、16日には全トヨタ労働組合連合会も月6,000円以上を統一要求する方針を発表した。また、昨年12月に行われた連合の中央委員会では2015年春闘において2%以上のベースアップを求める方針としている。

賃金の引き上げについては、景気回復を実現するために政府が経済界に再三要請しており、今年の春闘において経営陣がベア要求にどうこたえるかが注目される。

(ZUU online)

【関連記事】
成長続けるEC市場 スマートフォン経由は2016年には2.3倍へ
改善へにじり寄る個人消費―消費動向調査、12月は1.1ポイントの微増
中国最大のイベント「春節」…景気低迷が確認できるいくつかの予兆
年間52,596円の日経新聞が無料?ネット証券は『情報の宝庫』
上場前に投資?10万円以下でLINEに今すぐ投資する方法