春は新入学や新社会人、新生活など『新』のつくイベントが目白押しだ。こうしたイベントに関連して活気づく銘柄は春銘柄とも呼ばれ、材料視されやすい。こうした『新』に関連する春銘柄と、近年になって春銘柄として意識されるようになった花粉症関連の銘柄についても考察してみたい。
人の移動、新生活に必要な定番の『春関連』銘柄
春と言えば進学や就職、人事異動など新生活の銘柄が注目されやすい。こうした新生活関連業種を4つのカテゴリーに分類して、それぞれの注目銘柄を挙げてみよう。
1つめは、不動産。新生活の舞台となる家探し需要に支えられ、新年から春までが繁忙期となる。賃貸仲介大手であるアパマンショップ <8889> 、ピタットハウスブランドを展開するスターツ <8850> が有力だ。
2つめの有力業種は、引っ越し。人の移動に欠かせない業種で、不動産同様に新年から春が繁忙期となる。運輸大手で引っ越しも手掛けるヤマトHD <9064> 、サカイ引越 <9039> など。
3つめは、新生活に必要な耐久消費財を揃えるにあたって関連が生じる銘柄だ。家電ではヤマダ電機 <9831>、ケーズHD <8282>、ビックカメラ<3048> などおなじみの量販店が並び、家具販売店ではニトリHD <9843>、大塚家具 <8186> など。
最後の4つめは、こちらも新生活に必要なものを揃えるのに欠かせないホームセンターだ。近年では家電製品も幅広く取り扱っており、取り扱い品目の拡大とともに春銘柄として意識されるようになった。島忠 <8184>、DCMHD <3050> 、コーナン商事 <7516> など。
新学期に伴い教育関連も活気づく
近年では海外の新学期に合わせて9月を新学期にする議論が活発になっているが、日本国内では今も4月が新入学、新年度ということに変わりはない。学校教育法に定められた高校や大学、専門学校といった教育施設だけでなく、各種学校や塾・予備校、資格学校なども同様に春が新学期と認識されており、春銘柄の有力候補に含まれている。
教育大手のベネッセHD <9783> 、受験塾のナガセ <9733> 、明光ネット <4668> 、さらに資格学校大手のTAC <4319> などが挙げられる。
巨大マーケット『花粉症』は、今や春銘柄の本命
春に活気づく銘柄として、近年とても注目されている分野がある。それは、花粉症関連の銘柄だ。正確な数値は把握できていないものの、環境省の調査では国民の約3割が、花粉症が原因と見られるアレルギー性鼻炎にかかっていると指摘しており、花粉症関連のマーケットがとても大きくなっていることが裏付けられている。
花粉症関連の銘柄は、とても裾野が広い。花粉症の症状を改善する薬や関連商品などを製造している製薬会社やマスクメーカー、ドラッグストアなど予防、治療から製品の流通に至るまでの工程それぞれに注目銘柄が存在する。
製薬では明治HD <2269> 、田辺三菱 <4508> 、大日住薬 <4506> 、塩野義薬 <4507> 、エーザイ <4523> など、国内の有力製薬会社が並ぶ。
マスク関連にはダイワボウHD <3107> 、日清紡HD <3105> 、シキボウ <3109> などといった有力繊維メーカーとともに、バイリーン <3514> 、川本産業 <3604> 、ユニチャーム <8113> 、小林製薬 <4967> など衛生グッズ関連の銘柄が挙げられる。
花粉症の対処法として有効とされるうがい薬や目薬にも関連の注目銘柄を見つけることができる。うがい薬では、花王 <4452> 、ライオン <4912> 、明治HD <2269> 、目薬では参天薬 <4536> 、ロート <4527> など。
最後に、こうした製品の流通を担うドラッグストアの中からスギHD <7649> 、マツモトキヨシ <3088> なども注目銘柄として挙げられる。
(ZUU online)
【関連記事】
地銀の業務再編も着々―統合と並行して進む効率化
クオカード株主優待 4選 利回りがいいのはどれ?
ギリシャ総選挙どうなる?EU離脱ならリーマン以上の金融不安
年間52,596円の日経新聞が無料?ネット証券は『情報の宝庫』
10万円以下でも買える?2015年の目玉LINE株を上場前に買う2つの方法