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1月25日に行われたギリシャ総選挙において、野党の急進左派連合が勝利、チプラス党首が緊縮政治の終結を宣言した。このことからギリシャが今後、緊縮財政を見直しユーロから離脱する懸念から、週初26日の東京市場ではユーロ円の下落に引きずられる形で、ドル円が一時117円25銭まで下落。しかし海外市場では、欧米株や米10年債利回りの上昇による日米金利差拡大から、118,5円まで上昇した。

翌27日は前日の海外市場の流れを引き継ぐ形で朝方に118円後半を記録したが、甘利経済再生担当大臣の追加金融緩和期待を後退させる発言などを理由に、118円を割り込み、海外市場では、米10年債利回りの低下や、米12月耐久財受注が市場予想を下回ったことなどから、一時117円前半まで下落した。ただ、米12月新築住宅販売件数や、米1月消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことで117円台後半まで値を戻しNYクローズとなった。

28日の東京市場は、前日の海外市場の流れを受けて、午前に118円の高値を付けるも、連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えての様子見ムードが強く、徐々に押し戻される展開となった。海外市場では、FOMCの声明で国際情勢に関するリスクへの言及を行ったことから米10年債利回りが大幅に低下するとともにドル円も下落し、117円の安値を付けた。翌29日は、117円台前半では買いが入りやすかったため徐々に上昇した一方で、海外市場では米失業保険申請件数が15年ぶりの低水準になるなど、雇用の改善が見られたことから米10年債利回りが上昇し、ドル買い円売りの流れが加速、一時118円05銭まで値が戻った。

30日の東京市場は、夜間に米10-12月期GDP速報値を控えていることや、週末かつ月末ということもあり、リスク回避のため手仕舞いの動きからか、じりじり値を下げ、117円台後半まで下落した。海外市場では、米第4四半期GDP速報値が予想を下回ったこともあり、さらに下げが加速した。


今週の為替展望

今週注目される経済指標は、2日発表の米1月供給管理協会(ISM)製造業景況指数や4日の米1月ADP社の雇用統計、米1月ISM非製造業景況指数、6日の米1月雇用統計などである。特に、米1月雇用統計で発表される失業率は連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始する目安のひとつとなっており、その結果はドル円相場に大きな影響をもたらすため、注意が必要となる。

今週の外国為替市場は米国の重要指標が多く発表されるため、為替を左右する展開が想定される。しかしながら、27日、28日に開催されたFOMCで国際情勢に関するリスクへの言及を行ったことで、FRBの利上げ時期が後退したと考えるのが妥当だろう。

またテクニカル面では、先週に引き続き週足ベースのボリンジャーバンド(期間20週)のドル円のローソク足は、1σを下回る水準で、週足14週のRSIにおいては、70%近くと、やや過熱気味である。よって、ファンダメンタルズ、テクニカルの両面から円高方向を想定する。

ただし、このトレンドはFOMCの国際情勢への言及を根拠としているため、4日の米1月ADP雇用統計と6日の米1月雇用統計の結果次第で、市場はFRBの利上げ開始時期の想定シナリオを変更することとなるだろう。

(ZUU online)

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