外貨建て保険の魅力とリスク
外貨建て保険の魅力のひとつは、円建ての商品と比べて、高い予定利率となっている点で、たとえば、一時払い終身保険の場合、円建ての積立利率が0.22%なのに対して、米ドル建ては2.25%、ユーロ建ては1.82%などと、円建てに比べて高い利率になっている。
また、国内経済が円安により、インフレリスクを負うようになっても、外貨建て保険に加入することで、そのようなリスクに備えることができたり、万一の保障があったり、受取方法にバリエーションがあり、資産の分散効果も期待できるなど、保険商品ならではのメリットも多くあるが、為替リスクを伴うことは必然的に他の外貨建て商品と変わらない。
保険料や保険金等の入出金を円で行う場合、円ベースでの受取額や損益が為替レートに左右されることから、保険料支払い時よりも、解約金・保険金受取時の方が円安になっている方が有利で、逆に、円高になると不利になる。また、積立タイプの場合には、円ベースでの保険料は為替レートによりその都度変わる。外貨ベースで受取額が確定している商品でも、為替次第では、元本割れしてしまう可能性が当然出てくる。
解約時のリスクを考慮に入れて
外貨建て保険についてはよく、解約のタイミングが難しいといわれる。早期に解約しては損が出るから、仕方なく継続してしまうと言われることがある。つまり、泣く泣く継続解約した場合の返戻金が払い込んだ保険料の総額よりもかなりの割合で下回ることがあるからだ。
積み立て利率はあくまで保険会社が積立金に対して適用する利率であって、早期解約した場合には、それまでの様々なコストが差し引かれることがあり、満期近くにならないと元本を上回る返戻率にならないという場合がある。
また、外貨を円に交換する際に為替手数料が掛かるというデメリットもある。保険料を支払ったり、返戻金や保険料を貰う場合には、円から外貨へ換算するとき、反対に外貨から円に換算する時、為替リスクに加えて、為替手数料が発生することも事前に把握しておく必要がある。
保険料の総額と満期保険金や解約返戻金との差益計算など、複雑な要素がたくさんあることから、積立利率だけでは判断出来ない、難しさを考慮する必要がある。(ZUU online)