「非課税枠3000万円」は、実はかなりお得な制度

ではこの住宅取得等資金に掛かる贈与税の非課税枠3000万円というのがどれほどのインパクトがあるのか実際見てみることにしよう。不動産経済研究所の調査によれば、2014年12月時点での首都圏のマンション平均価格は5,022万円であった。仮に5,000万円のマンションなら、3,000万円も自己資金を用意できることになる。住宅ローン減税も延長されているため、相続人が年収600万円で金利1.47%のフラット35を利用した場合には毎月の返済額は約6万程度で済み、更に約170万程度の減税効果が見込まれる。そのため実質的には2,000万円から170万円を控除した1,830万円で5,000万円の新築マンションが購入できることとなる。このように超低金利時代の住宅ローンと住宅ローン減税も組み合わせれば、非課税枠3000万円というのは、かなりお得な制度と言えることが出来るだろう。


免震構造の住宅を選べばさらにお得な住宅取得等資金の贈与制度

なお、この制度には更なるオマケがある。一定の省エネ性(省エネルギー対策等級4)又は耐震性(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物)を満たす、質の高い住宅の購入であれば非課税枠が500万円から1000万円までアップする。この条件の中で注目すべきは「免震建築物」だろう。タワーマンションではディベロッパー側も免震構造のマンション開発を積極的に行っているため、免震構造のマンションは比較的簡単に探しやすい。免震構造とは地下に積層ゴムと言われるダンパーが揺れを吸収する構造であり、マンションギャラリーを訪れた人なら一度くらいは免震構造の解説図を見たことがあるのではないだろうか。

そのため、免震構造の住宅を選べば住宅取得等資金の非課税枠が1000万円となるため、相続時精算課税を2000万まで調整することが可能だ。相続人に兄弟が居て現預金を上手に振り分けるために利用するのも良いだろう。自分自身の資産ポートフォリオを踏まえ、一度、相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与を検討してみるのも良いだろう。

(ZUU online)

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