地方物件は利回りが高く取得しやすい

不動産投資物件は、都内の物件と地方の物件で大きく分けることができる。地方物件の不動産投資は利回りが高いのが魅力だ。都内の区分マンションは6〜7%程度の利回りの物件が多いが、地方の物件では表面利回りが20%を超える物件も見られる。価格も都内に比べて低く、積算評価が高く評価されやすいことから銀行でフルローンによる借り入れが可能なケースも多い。借り入れによるレバレッジを効かせ、効率的に投資をすることが可能な点が魅力だ。


地方物件のリスクとは

もちろん地方物件にはリスクがある。一番は管理会社が弱く、空室リスクが高いということだ。不動産投資は当然ながら、賃貸に出す事によって収益が上がる。部屋が空室になれば賃料は入らず、利回りは落ちる。空室になった場合、どれだけ早く管理会社が新しい入居者を獲得できるかが勝負になるが、地方の場合、管理会社の営業力が弱いことが多い。都内の管理会社や賃貸の客付け会社であれば案内数、契約数などの営業目標が日々細かく設定されているが、地方の管理会社の場合、そこまで徹底されていないことが多い。結果、入居者が決まるまでに時間がかかってしまい、想定通りの利回りを確保できないリスクがあるのだ。


金融機関が少ない

また地方には投資物件の取得に利用できる金融機関が少ないというリスクもある。都内であればメガバンクから信用金庫、地方銀行まで数多くの金融機関が揃っているので、一つの金融機関で融資を断られても、ほかの銀行に相談することができる。一方、地方の場合は地元の信用金庫に融資を断られてしまうと、ほかに相談できる金融機関が存在しないという状況もありえる。利用できる金融機関が少ないということは不動産を売却する際に、新しい買い手が金融機関を利用できず購入できないという出口のリスクも抱える可能性がある。


市場環境が変わりやすい

地方は東京など都心に比べ、賃貸需要が少ないため環境が変わりやすい。物件を取得した当時は魅力的なアパートだとしても、駅前に大きなマンションが建ったり、学生寮ができたりするだけでそちらに入居者を奪われてしまうという事態もありえる。東京であれば賃貸需要が巨大なため、新しい住居ができてもそこまで大きな影響はない。地方物件の場合、長期的な視点で見た時に、その物件が市場のニーズを獲得し続けることができるかどうかというチェックが必要になるだろう。


地方物件は投資よりも「事業」

高利回りの地方物件は大規模な修繕が必要なケースも見られる。そのような場合、自らの手で不動産を再生し、価値を上げていく必要がある。これは単なる投資というよりも事業に近い。地方物件の場合、現地に赴く移動コストもかかる。サラリーマンや経営者など、不動産投資が本業でない場合、手間やコストをかけて不動産の再生に取り組めるかどうかがハードルになるだろう。


物件の価値を理解することはマスト

不動産投資に限らず投資全般にいえることだが、投資するからにはその商品を隅々まで理解する必要がある。「自分の知らない企業には投資しない」とは世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏の言葉だ。よくわからない不動産にも投資してはいけない。特に地方物件はそのエリアに地理感がないケースが多いだろう。地方物件を購入する際は、高い利回りだけに目を奪われず、本当に価値がある物件かどうかを周辺環境も含めて徹底的に調べあげ、その価値を見極める必要がある。

(提供:Housmart Journal)
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(ZUU online)

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