改正相続税法で基礎控除額が4割減

昨年までは、基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」であった。それが今年から基礎控除額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となる。例えば、残された家族が「妻と子供2人」のケース、つまり法定相続人が3人のケースを考える。そうすると、昨年までだと基礎控除額は8,000万円、今年からは4,800万円となる。

つまり先ほどの現金5,000万円を持っているケースだと課税遺産総額は、昨年までだと「5,000万円-8,000万円=▲3,000万円」となり納税対象外となるが、今年からは「5,000万円-4,800万円=200万円」となり納税義務者となってしまうのだ。課税価格が1,000万円以下の場合、税率は10%で控除額は無しのため、課税価格が200万円となると、20万円の相続税を納めなければならない。これが今年から相続税が厳しくなったと言われる所以である。


相続税路線価、不動産を絡めた相続税対策

ただ従来から相続税対策は、課税価格をいかに減らすかを主眼として行われてきたため、その基本的なテクニックはこれからも変わらない。一番簡単なのが、借入金でマイナスの資産として控除される。上述のケースだと被相続人に200万の借金があれば相続税はかからない訳だ。

また、土地については相続税路線価と言われるもので課税価格が計算される。この相続税路線価とは、対象地の前面道路に値段が付けられており、「財産評価基準書」というキーワードで検索すれば国税庁のホームページが出てくるため誰でも知ることが出来る。この相続税路線価はだいたい時価の80%と言われている。そのため時価5,000万円の土地を購入しただけでも課税価格が概ね4,000万円となり、これだけでも節税対策となる。

他にも不動産を絡める事で課税価格を下げる様々なテクニックが昔から存在する。上述のように課税価格が5,000万円程度あると今年からは納税義務者になる可能性がある。まずは退職金と自宅を合算し、自分がどれだけの資産を持っているのか今一度見直すことから始めてみよう。

(ZUU online)

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