マニュライフのアジア版投資意識指数 (MISI)調査で、日本の投資家は過去の投資パフォーマンスに不満を感じており、今後、投資を増やしていく意欲があることが分かった。資産の大半を現金で保有しており、株式やその他の金融商品への資金移行に前向きであることも明らかになった。一方で、2015年の投資リターンへの期待値に関しては、アジア8市場のなかで最も低い結果となった。

今回の調査で日本の回答者の51%が、今が株式に投資すべき時期と考えていることが分かった。投資信託でも、投資に適したタイミングと回答した投資家の割合は38%で、半年前の33%に対して5ポイント上昇した。市場が改善する兆しを感じ取っていることが主な理由として考えられる。

2014年の投資パフォーマンスに満足していないと答えた回答者のうち、ほぼ半数が投資の規模が不十分で金融資産として保有している現金をより投資へシフトさせて利益を確保すべきであったと考えていた。2014年の投資パフォーマンスに満足した人のうち、38%が成果の要因を「運の良さ」、24%が「市場での予想外の動きがリターンに好影響した」と回答。運や予想外の出来事という不確定要素に起因している傾向から専門家によるアドバイスとプランニングのニーズが高まることを示唆している。

マニュライフ・アセット・マネジメント株式会社の石田成社長は「日経平均が上昇基調にある現在、日本の投資家は株式への投資に好機を見出している。日本の株式市場は長く投資家の期待に応えることが出来ていなかった。重要なのは投資家の成功体験を積み上げること。現在政府がとっている金融政策をはじめとする政策が継続する限り、投資意識指数はさらに改善するのではと考えている」と述べている。

また、投資パフォーマンスに対する不満は、ライフスタイルに関する調査からも見て取れ、自分の経済状況に満足していると回答した日本人は32%にとどまった。アジア諸国平均57%と大きなギャップがあった。ほぼ3人に1人が「現在のライフスタイルを維持できるか否か」(30%)を主な懸念点として挙げており、アジア市場の他の調査対象国と比べ、この点を最も憂慮していることが分かった。さらに「退職後に生活資金が尽きること」(15%)が別の心配事とされていることからも、日本人の多くが自らの経済状況の先行きに対する不安を抱えていることもうかがえる。

アジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)は、アジア8カ国・地域の市場を対象に、主な資産区分等に関する姿勢や投資意識について測定、追跡する独自調査で、四半期ごとに実施している。アジア各市場でそれぞれ500人に対する調査に基づいており、香港、中国、台湾、日本、シンガポールはインターネット上で、マレーシアとインドネシア、フィリピンについては対面で実施。回答者は中間層から富裕層に属する25歳以上の男女で、投資や貯蓄に関する決定権を持ち、現在投資商品を保有している人が対象。(ZUU online 編集部)

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