原材料価格の低下も収益改善に寄与

すき家といえば牛丼が主力商品だが、この主要原材料である牛肉価格が昨年秋の高止まりから値を下げ、1キロ1,100円から1,000円以下の水準へと下落したことも、収益改善に貢献しているという。


ワンマンオペレーションがすき家の利益率の源泉

すき家では、深夜の1人勤務体制、通称ワンオペを2014年に廃止することで、アルバイトひとり当たりの負担を軽減し、雇用の改善を図ってきたが、営業利益率で見ると2013年3月期のワンオペ時代には3.5%を確保しており、それよりもさかのぼる時期には5%を実現したこともあった。

しかし2014年3月期は1.7%、今期予想では0.5%となっているため、赤字こそ回復できたものの、以前のような収益レベルに回復できるかどうかは微妙な状況だといえる。

ただゼンショーにおける牛丼カテゴリーの売上げシェアは13年で42.7%、2014年で38.4%と年々下降傾向にあり、ワンマンオペレーションの廃止自体が営業利益全体に与える影響はかなり薄まっていくことも考えられる。


脱牛丼依存で総合食企業を目指すも…

ゼンショーはすでに外食事業で16もの異なるブランドを保有しており、牛丼カテゴリーが38.4%、レストランカテゴリーが31.9%、ファストフードカテゴリーが17.7%、その他が4.7%とかなり多角的な事業運営へとシフトしてきている。このことからも、牛丼事業に依存した業態ではなくなっていることがわかる。

にもかかわらず、すき家の一件が全社の収益を赤字に追い込むほど影響の多いものであることは注目に値する。いかにM&Aによる多角化をはかっても、ひとつひとつのビジネスが確立して収益を維持できなければ、屋台骨を揺るがす事態になりかねないことを、今回の決算内容が改めて示唆している。(ZUU online 編集部)

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