一時は永遠に続くのではないかとすら囁かれていた原油価格の高騰が、今度は一転して下落トレンドを演じている。引き金になったのはシェールオイルの増産だと言われているが、新興国の需要減や欧州の景気減速などが複合的に関わって起きているだけに、このトレンドは一時的なものではないとの見方が大勢だ。

原油資源を原資としている国にとっては痛手となるが、資源のない日本にとって原油安は追い風となる。この風に乗って株価上昇が期待できる原油安関連銘柄を7社ピックアップした。


原油を直接的に消費する業種から4銘柄

原油を燃料として直接的かつ大量に消費する業種にとって、その原価が下がることは大きなメリットとなる。海運や物流などサービスを提供するのに燃料を消費する必要がある企業がその筆頭格だ。

海運大手では日本郵船 <9101> や商船三井 <9104> といった大型株が中心となり、物流では日本通運 <9062> やヤマトホールディングス <9064> などが最右翼となる。もちろんこれらの他にも海運や物流、航空会社など原油を消費する企業群に幅広くメリットが波及すると見られる。


原油を材料として使用する業種から2銘柄

次に、原油を燃料だけではなく材料として使用する業種にも目を向けてみよう。かつてオイルショックの時には原油高の思惑からトイレットペーパーの買い占め騒動が起きたことは周知の事実であるが、このことは製紙業が原油高に弱い企業であるということを世間に知らしめた。この相関関係は今回の原油安でも見られ、王子ホールディングス <3861> を筆頭に製紙業各社の株価上昇に貢献している。

原油を材料として使用する業種としては、他に塗料やゴムなど化学系メーカーが挙げられる。特にゴムを製造するメーカーにとってはガソリン安が自動車メーカーにも経済効果を及ぼすため、材料安と相まって本業のタイヤ事業が好調に推移すると見ることができる。ここではタイヤメーカーの最大手であるブリヂストン <5108> に注目したい。


間接的なメリットが大きなメリットとなる業種

原油高が日本経済の隅々にまで悪影響を及ぼしたことでも分かるように、日本経済の原油に対する依存度はとても高い。直接的な関係がないと思われるような業種にまで悪影響が波及したということは、逆を言うと原油安が思わぬ業種にも経済効果をもたらすことを意味する。

間接的なメリットは自動車業界や、それに関連する自動車部品メーカーなどに及ぶと容易に想像ができるが、意外なのは旅行業界や酒造メーカーなどだ。原油安はあらゆるコストを低下させるため、多くの人の可処分所得を増大させ、余暇の充実につながり、思わぬ業界にも恩恵が及ぶというロジックだ。そこで、株価に値頃感のあるベンチャー系の旅行代理店、エイチ・アイ・エス <9603> が注目といえよう。(ZUU online 編集部)

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