3月30日、ハウス食品グループ <2810> 中央研究所の研究グループは、切った時の催涙成分生成が極端に少ない「新しいタマネギ」の作出に成功したと発表した。3月28日の一般社団法人園芸学会平成27年度春季大会にて、口頭発表を行っている。

タマネギを切った時の催涙成分生成が少ないため、調理時に涙が出ることがなく、生食時にも辛みをほとんど感じない。スーパーなどの生鮮売場で見かけるタマネギは、通年販売されている加熱調理向きのタマネギと春先(1 月~4 月頃)に生食向きとして販売される極早生品種(いわゆる新タマネギ)の 2 種類に大別できる。後者に代表される「辛みの弱いタマネギ」への従来の取り組みは、栽培中のイオウ施肥を減らして、辛み成分の元成分(PRENCSO)含有量を減らす方法やタマネギ中の乾物量の少ない(≒水っぽい)タマネギ育種が中心だった。

しかしながら、これらの取り組みによって作られたタマネギは、辛み成分生成に対して根本解決とはなっていないため、辛みを抜くための水さらしが必要であり、たくさん食べると辛みを感じてしまう。同社が作出したタマネギは、辛み成分の生成反応を根本的に抑えたタマネギであり、辛みがほとんどなく、水さらしの必要もない。

それゆえ既存の2 種類のタマネギとは異なる『第3のタマネギ』に位置付けられると同社では考えている。

水さらしが不要となることで、調理の手軽になることだけでなく、水さらしによる成分流出を抑え、 タマネギ本来の栄養をまるごと摂ることもできる。また、厚切りのままサラダに使える。今後、タマネギを使った料理が一般家庭でもますます広がることが期待される。(ZUU online 編集部)

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