General Electric Co.'s Aviation Test Facility Ahead of Earnings Figures
(写真=Getty Images)

4月10日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は金融部門の大半を売却し、最大900億ドルの株主還元を行う方針を表明した。金融・製造業の多角経営から、産業部門により特化する。約230億ドルの不動産資産の売却先は投資会社のブラックストーン・グループと米銀大手のウェルズ・ファーゴである。

GEが発表した事業再編計画によると、最大500億ドルの自社株買いや今後2年間に約300億ドル相当の不動産資産を売却するほか、GEキャピタル事業の売却を進める。計画では、2018年までに利益の90%超を本業の産業部門で稼ぐようにするとしている。昨年の比率は58%。株主還元は配当のほか、500億ドルの自社株買い等を組み合わせて行う。


GEが金融部門への関与を縮小させる理由とは

ロイターによれば、GEが金融部門への関与を縮小させる理由としては、金融危機以降、融資事業での資金供給が困難さを増した点が挙げられるとのこと。その背景には、GEキャピタルの事業規模や融資ポートフォリオのリスクを踏まえ、同社がシステム上重要な金融機関(SIFIs)という政府規制の対象に入った点がある。政府にシステム上重要な金融機関(SIFIs)と認定されてしまうと、一般の金融機関に求められる以上の資本の積み増しを義務付けられるのだ。

GEは金融事業の規模を縮小するとともに、2016年に規制監督の対象除外を申請するとしている。GEがその対象となることを嫌った、「システム上重要な金融機関」(SIFIs)とはどのようなものなのであろうか。


システム上重要な金融機関(SIFIs)とは

システム上重要な金融機関(SIFIs)とは、事業や取引規模が大きく、破綻すると金融システムに大きな影響を与える金融機関の事を言う。リーマンショック後、金融機関の不適切なリスクテイクを抑制し、モラルハザードを防止するため、自己資本規制の強化やリスクの高い業務に対する規制、破綻処理制度の整備等が進められてきた。

とりわけシステム上重要な金融機関(SIFIs)は、万一破綻した場合に金融システム、ひいては経済全体に甚大な影響をおよぼす可能性が高いことから、一段と強い規制を課す取り組みが国際的に進められているのだ。


GEの経営方針は大手経営者にも大きな影響を与える

GEは製造業にもかかわらず、1980年代に多角化経営を目指し金融事業に進出。多くの収益をあげていた。製造大手のGEが金融事業に進出するとは当時は誰も予想しえなかった。また、GEは過去に家電部門の大幅縮小を図り、音響・映像部門から撤退し、白物家電に特化していったが、この経営方針もその後、日立製作所、東芝、三菱電機など、日本の電機メーカーに大きな影響をおよぼす事となった。

そして今回、そのGEが金融事業から事実上撤退する。「世界の経営者の教科書」と言われるGEの経営方針が広まれば、世界は大きな転換点を迎えるだろう。


国際的な金融規制強化の流れは止まらないのか

多くの国の中央銀行が、自国内の金融機関は更に自己資本を積み増すべきであり、バーゼルⅢの条件も期限より早く満たすべきだと主張しており、規制強化の流れは強くなる一方との見方は強い。

新たな金融規制となるドット・フランク法の廃止を掲げていたミット・ロムニーも2012年の大統領選挙ではオバマに敗れている。米セントルイス連銀のブラード総裁が巨大銀行の解体を主張するなど、より急進的な規制強化論者の動きも目立つ。1月にはゴールドマン・サックスのアナリストがJPモルガン解体について示唆する報告書を記し、話題になった。JPモルガンは現在の形態よりも分散化した方が、価値があがるかもしれないという。

巨大金融機関が抜本的な改革を迫られる中、SIFIsの一角を占めるGEが金融事業から事実上撤退するというニュースは、GEの今後のみならず、金融ビジネスの今後のあり方についても、多くの示唆を与えることとなりそうだ。(ZUU online 編集部)

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