3月の小売業販売額は、消費増税前の駆け込み需要の反動減、原油価格下落の影響に加え、休日の減少などが響いて、約1割減に陥った。ただ昨年末までのトレンドを見る限り、消費回復の兆候も表れつつある。消費者の購買意識の高まりからすると、今後は増税の影響がさらに薄れ、個人消費が緩やかに戻る可能性もある。


増税と原油安、休日減で販売不振

経済産業省が発表した3月の商業販売統計によると、小売業販売額は12兆3960億円となった。年明けから3カ月続けて縮小しており、1月の2.0%減、2月の1.7%減に比べて、3月は9.7%減と大きく落ち込んでいる。

1980年以降では、前回消費増税の翌年1998年3月の14.3%減が最大のマイナスだったが、それに次ぐ下げ幅であり、それだけ増税前の駆け込み需要の反動が大きいということだろう。

その傾向が最も顕著なのが、自動車と機械器具(白物家電やパソコンなど)だ。昨年3月と今年3月を比べてみると、自動車は9.2%増から4.1%減、機械器具は37.3%増から27.9%減と、駆け込み需要とその反動がはっきりしている。単月の動きだけでなく流れで見ても、増税後の4月以降、双方とも前年割れが続いており(9月の自動車の増加を除く)、耐久消費財の販売低迷ぶりが伺える。

これに昨年後半からの原油安が追い打ちをかけている。石油製品の価格が値下がりしており、燃料小売が20.0%減と6か月間底割れが止まらない。

さらに3月は、昨年に比べて休日が2日間少なかったこともマイナス材料となっている。織物・衣服・身の回り品が-6.2%で9カ月ぶり減、飲食料品が-2.2%で11カ月ぶり減、医薬品・化粧品が-7.0%で10カ月ぶり減と、日常生活に密着した品目も久々に押し下げられた。

このように、増税による消費停滞と原油価格下落という以前からの背景に加え、休日減という季節要因も重なり、3月は1割近く悪化しているのだ。


消費回復の兆しも

上述のように消費は依然戻っていないものの、足元を見れば回復見込みがないわけではない。

たしかに年明け以降は、増税前の駆け込み需要の反動で振るわないが、去年7~12月はプラスを維持している。また生活に密着したものについて、2月までは、織物・衣服・身の回り品が8カ月、飲食料品が10か月、医薬品・化粧品が9カ月と、それぞれ増大が続いていた。さらに季節調整済指数の前月比で見ても、去年5月以降は横ばいか上昇の月の方が多い。

ちなみに1997年4月の増税時は、2000年1月に前年比プラスになるまで2年10カ月もかかり、しかも後に再びマイナスに陥った。一方今回は、7月に反転するまで3カ月しか要しておらず、その後12月まで上向き続けている。個人消費は低迷しつつも過去よりは悪くないことが、このデータから裏付けられている。


中長期的には消費が戻る余地あり

当面は、消費が本格的に戻るのは難しいのではないか。

上述の通り3月は販売額が9.7%減ったが、一方で在庫に相当する手持額は4.6%増えており、これが掃けるには一定の期間を要するだろう。

ただ消費者の意識を見る限り、もう少し長いスパンで見れば、販売額も伸びていく可能性はある。内閣府の消費動向調査によると、雇用環境、収入の増え方(1月を除く)、耐久消費財の買い時判断のいずれも、昨年12月から押し上げられている。また9割近い人々が、1年後に物価が上昇すると予想している。

すなわち、消費者の生活環境がこの先改善する一方で、物価が上がると見込まれるため、早期に商品の購買を済ませる動きが出て来る余地があるということだ。

個人消費が拡大しなければ、国家全体での経済成長も見込めない。家計調査の消費支出と合わせて、小売業販売額にも注目していく必要がある。(ZUU online 編集部)

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