現実に黒字倒産する会社の当座比率の低さ

2014年の倒産企業の当座比率が発表されている。

当座比率とは、当座資産と流動負債の金額を比較することで企業の短期的な支払能力を判断する指標です。計算式で表すと、当座資産÷流動負債となる。この当座資産は棚卸資産を含まず、資産の中でも比較的に現金化しやすいものを指すため、当座比率は流動比率より厳密に支払い能力を確認できると言える。

流動比率を見誤まり、黒字倒産した象徴的な例が、株式会社アーバン・コーポレイションだ。この会社は過剰在庫が原因で倒産をしているのだが、流動比率は200%以上あったのだ。流動比率を見ると、支払い能力に問題なさそうだが、在庫回転期間が655日となっており、キャッシュは回っていなかった。これでは、流動比率の数値はまったく無意味となるため、当座比率を使う必要が出てくるのだ。

そして倒産企業の当座比率はと言うと、前々期68.2%、前期66.1%、最新期59.6%と推移し、支払能力の低下が浮き彫りになっている。生存企業の当座比率が平均76.1%と景気回復の波に乗れているのに比べ、倒産企業は資金繰りに余裕がないことがわかる。

この資金繰りに余裕がない状態こそ、売上債権が多くキャッシュが手元にない状態を表しているといえる。


販売から売上債権の回収サイクルを早くする

黒字倒産を手っ取り早く回避するには、前述したようにキャッシュフロー計算書の見栄えを良くする方法が一番確実だ。ものを売るために仕入れをすれば、それだけキャッシュは減少する。

キャッシュの減少を補う形で、はじめは売上債権を早急に回収するサイクルを作りだすべきであろう。それだけでキャッシュフロー計算書の見栄えは変わり、黒字倒産を防ぐ効果的な方法となる。(ZUU online 編集部)

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