(写真=relux)
北陸新幹線が延伸開業して初めてのGWとあって、金沢近辺の観光地は例年にない賑わいをみせた。JR各社 によるとGW期間中の利用者数は、延伸区間の上越妙高―糸魚川で昨年比3.1倍の39万人。先行開業していた高崎―軽井沢でも、前年の2.1倍の72万人となった。
主要観光地の期間中入園者は、金沢城公園が15万8千人、兼六園は11万8千人、金沢21世紀美術館は10万4千人で、どこも軒並み過去最高の人出となった。全国から熱い視線を浴びる北陸で、今後注目のスポットに焦点を当ててみた。
「加賀温泉郷」に熱い視線
首都圏ではあまり知られていないが、北陸地方で温泉と言えば、真っ先に思い浮かぶのが「加賀温泉郷」かも知れない。石川県の小松市にある粟津温泉と、加賀市の片山津温泉・山代温泉・山中温泉を総称する温泉郷のことである。特に、山代温泉は旧くから名湯として全国に名を馳せており、与謝野鉄幹・晶子夫婦、北大路魯山人、泉鏡花、吉井勇など多くの文人墨客も好んで訪れた。
加賀温泉郷は、昭和61年には年間観光客数が397万人と非常に賑わっていたが、法人需要の大幅な減少や旅行形態の変化などにより、2013年の観光客数はピーク時の半分程度で187万人まで減少している。観光客の5割弱が関西・中部地方から、3割が北陸地方から来ているが、首都圏からは1割に満たない状況だ。一方、外国人観光客数は2013年、過去最高を記録した。
当地の文化に浸る山代温泉「葉渡莉(はとり)」
(写真=relux)
山代温泉の守り神であるヤマシロノミコト、機織の神であるアメノハヅチヲノカミを祀った服部神社と、一帯を指す古い地名の服部(はとり)から命名したという旅館の「葉渡莉(はとり)」。当地の文化に浸るにはぴったりの宿だ。
木の温もりを活かした外観は、そのまま天然木を贅沢に配した大浴場のイメージに繋がっている。そのゆったりとした雰囲気の中、湯に身を委ねていると、瞼の裏に多くの文人達が織りなす絵巻を思い描いてみることが、いとも自然なものに思えてくる。
鶴仙渓の絶景を望む山中温泉「花紫」
(写真=relux)
一方、奥の細道にも登場する山中温泉。八泊九日という長逗留をした松尾芭蕉は、鶴仙渓(かくせんけい)の風景をいたく気に入っていたのだという。
その鶴仙渓を、すべての部屋から望めるという宿が「花紫」だ。数奇屋造りの各部屋には坪庭が設けられており、渓谷美を存分に楽しめる。源泉かけ流しの半露天風呂や、サウナ付の特別室「コンフォートスイートルーム」などを楽しむうちに、しばし時の流れを忘れてしまいそうになる。
加賀料理の老舗料亭旅館「金城樓」
(写真=relux)
本格的な加賀料理を味わってみたい、という方も多いだろう。そうした期待を裏切らないのが「金城樓」だ。1890年に屋号「金城樓」のもと、加賀藩重臣の前田孝敬屋敷跡に料理屋を開業したのだというから、並大抵の歴史ではない。
旅館としての「金城樓」は、わずか6室のみ。日本建築の伝統美が漂う金沢を代表する料亭旅館として、客室のインテリアはもとより、調度品から料理の器に至るまで、細やかな神経を行き届かせるためには、十分過ぎるほどの客室数なのだろう。
伝統工芸品や特産物など豊富な観光資源
「加賀温泉郷」はまた、伝統工芸品の宝庫でもある。豪放な色絵を特徴とする久谷焼、会津や越前と並んで三大漆器に数えられる山中漆器などは、垂涎の的だ。また、金沢が日本の金箔生産量の98%以上を占めていることも、意外と知られていない。金閣寺や日光東照宮に代表される寺社仏閣はもとより、漆器や陶器などの工芸品にも多く金箔は使われている。
北陸新幹線の延伸は、観光業の巻き返しだけでなく、伝統工芸品産業の復興にも期待が膨らむ。かつて加賀百万石といわれ莫大な経済力を誇った加賀藩の名を受け継ぐ温泉地。金沢市内だけでなく、他のスポットでの今後の盛況に目が離せない。(ZUU online 編集部)
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