デザインのわかる経営者

その意味において、HAの伊藤氏はデザインが分かり、判断を下せる経営者なのだ。それは、HAのホームページに掲載されている伊藤氏の写真にも現れている。

多くの企業の社長あいさつに使われる写真は、カメラに対して斜めに向き、手は体の前に置いて余裕のある表情の写真が多く、どれも同じに見えてしまう。しかし伊藤氏の写真は正面からこちらをまっすぐに見つめている。ここには、言葉だけではなく、氏の姿勢や表情をも利用してメッセージを伝えようとする意図が見える。まさに上に引用した「デザインは、人と人工物あるいは人工環境とのかかわりすべてを計画」を実践しているのである。

伊藤氏は2014年2月に代表取締役に就任し、6月にamadanaと提携。同時にamadana代表取締役 熊本浩志氏が、HAのCCO(Chief Creative Officer)に就任した。

amadanaは、多くの優れたデザイン家電を発売していることで、業界では知る人ぞ知る存在だ。たとえば電卓は、ウェブサイトで税込み6480円もする。特に珍しい機能はないが、そのデザインで好評を得てロングセラーになっている。この機敏な動きも、伊藤氏のデザインへの感度によるところが大きいだろう。

そしてHAには、高い技術力を持った元三洋電機の技術者がいる。デザインがわかる経営者と、それを支える日本の技術者がともにそろっているのが、ハイアールアジアが画期的な商品を打ち出し輝いている理由と考えられる。

(ZUU online 編集部)

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