酒田市の活性化に向けて

逆境尽くしで始まったホテル経営だが、順調に成果を挙げている同氏。地域にシティホテルらしいシティホテルがなかったことや、従業員の雇用を守ることへの使命感もその原動力となっているという。

酒田市の人口は、2013年に11万人、2014年には10万人と推移しており、2040年には7万人台になると言われている。人口減は日本全体が直面している問題だが、全国の10万人規模の都市の中で酒田市の人口減少率は5位、鶴岡市が10位と、山形県から2都市がランクインしているという。同氏もこの状況を危惧しており、「今後は交流人口や移動人口を増やさないと成り立っていかない」と語る。

「酒田の土地柄として、子どもが就職できずに家にいても、食べさせていけるような最低限の環境がある。冒険もせず、何もしなくてもなんとか生きていけるだろうという甘い考えの人が多いように思います。しかし、このままではいずれ酒田全体が茹で蛙になってしまう」と危機感を滲ませる。

手をこまねいてはいられないと現在同氏が取り組もうとしているのは、外国人旅行客の誘致だ。羽田空港が国際化したこともあり、アジアの国から旅行客を連れてきたいと語り、「外国人を酒田に呼び込めるように、官民を挙げて誘致していく必要がある」と訴える。同氏としては、外国人をメインターゲットにしたホテルを新たに建設することも視野に入れているという。

今後は「和」のテイストに焦点を当て、こうした外国人観光客に加えて、既存の国内からの旅行客も合わせて、和食によるもてなしに力を入れようとしている。

ホテル経営に才覚を表した同氏は「これからは他の都市と差別化できるような都市を作っていかないといけない」と、地元地域活性化への大きな抱負を語ってくれた。

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