スマートホテル成功の鍵

問題は、どこまでロボットがサービスの対応ができるかという点だ。感じの悪い人間に対応されるよりも、機械とはいえ、笑顔で対応された方が良い印象を受けるかもしれない。コンビニの店員に腹を立てる人はいても、自動販売機に怒る人はまずいないだろう。しかし、人によっては、コミュニケーション自体を楽しみたい人もいる。自販機が隣にあってもコンビニで買う人はいくらでもいる。これが人間の複雑なところである。

現にホテルのクチコミサイトを見ると、「スタッフの対応がフレンドリーでとても良かった」などの書き込みがある。これがロボットになった場合、「未来的でおもしろかった」という感想はあるかもしれないが、「スタッフの対応が良かった」という感想はなくなってしまうだろう。

施設としての快適性はビジネスホテルに比べ充実しているので、特に、コミュニケーションを求めないのであれば、このホテルの利用価値は高い。しかし、宿泊客1人1人に応じた洗練されたサービスを求めるのであれば、当面はシティホテルを選択するしかない。したがって、ビジネスホテルの顧客層をどれだけ取り込めるかが成功の鍵となる。

サービス業の中でも、最もきめ細やかなサービスが求められるホテル業界で、他の業界に先駆けてロボットによるサービスが実用化されることは注目に値する。ハウステンボスの澤田秀雄社長は、旅行業界に革命を起こしたHIS創業者。その手腕はホテル業界にも新たな風を吹き込むことになるか。

(ZUU online 編集部)

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