『運転資金サイクル』だけ考えてもダメ

意外と落とし穴になるのが『運転資金サイクル』“以外”の資金サイクルである。設備投資や借入金返済などの『通常の営業活動』とは関係のない資金繰りについても注意する必要がある。経営者でも毎月の損益計算書(P/L)はチェックしているが、貸借対照表(B/S)をおろそかにしている人は多い。

例えば、借入金の支払は『負債』の返済であり、『費用』ではない。つまり、損益計算書(P/L)には出てこない項目であり、利益指標ばかりを意識していると、「利益が出ているのに資金が足りない」ということが起こり得るのだ。

そこで、必要になるのが貸借対照表(B/S)を利用した安全性分析である。その中でも、本稿では『固定長期適合比率』を紹介する。

固定長期適合比率=(固定資産)/(固定負債+自己資本)

この指標は、固定資産を取得するための資金が長期資金でまかなわれているかを見るための指標である。

例えば、生産設備を購入して製品を製造しようとした場合、この設備投資の資金は長期間で回収されることになる。このような長期投資に対しては長期資金でまかなう必要がある。

資金繰りを考える際には、資金の回収と支払のバランスを考える安全性分析が大切である。

(ZUU online 編集部)

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