街角景気には現状と先行きのいずれにも明るさが見られる。このように上向いている家計や企業のマインドが実際の消費や投資となってあらわれ、雇用をさらに拡大させるのか、引き続き注目が必要だ。


現状判断は「緩やかな回復基調」

内閣府が発表した4月の景気ウォッチャー調査によると、3か月前と比べた現状の判断指数は前月より1.4ポイント上昇し、5カ月連続で改善。

水準も53.6と、好不調の節目50を3カ月続けて上回った。昨春の消費増税以降概ね50未満に低迷してきたが、足元では50越えを持続。内閣府も「緩やかな回復基調が続いている」として基調判断を据え置く。


家計動向関連は3カ月続伸し、53.2となり前月から好調を維持

飲食関連とサービス関連は3カ月ぶりに落ち込んだが、住宅関連は2カ月ぶりに上昇基調に戻り、小売関連は5カ月連続上伸。特に小売関連では、乗用車・自動車備品販売店のマイナスが止まらないものの、百貨店、スーパー、衣料品専門店が2カ月ぶりにプラス転換。3月は前年の増税前の駆け込み需要の反動減で下落したが、4月はその影響が薄れて復調した模様。

また判断理由の例を見ると、賃上げによる消費増への期待や外国人観光客増の継続など、以前からの基調要因が伺える。これに、早い雪解け及び気候安定といった一時要因も加わり、景況感を上向かせているようだ。

企業動向関連も5カ月続けて上向き、52.8となり2月以降の50超えを確保。製造業は0.6ポイント下押しされたが50.3、非製造業は0.6ポイント上がって54.6と、ともに好調を持続。内需は低迷しているが増税の影響が薄れつつあること、堅調な米経済向け中心に輸出が伸びていることなどから、企業関係者のマインドも徐々に上向いている様子。

雇用関連は5カ月ぶりに悪化したが、58.1と依然好調。判断理由によると、企業と求職者で条件のギャップが拡大し、マッチングに至るケースが減っている所もある。ただ完全失業率が3%台で低位推移するなど、雇用全体では良い状況にあることがDIの50越えにも表れている。

このように、雇用に若干懸念が残るものの、家計・企業いずれも復調の流れが続いており、景気動向に敏感な人たちのマインドは全体として良好だ。