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(写真=Thinkstock/GettyImages)

5月20日の東京株式市場で日経平均株価の終値は前日比170円18銭(0.85%)高の2万0196円56銭。4月23日に付けた年初来高値を約1カ月ぶりに上回った。チャートの節目の2万833円(2000年4月12日のITバブル直後の高値)を奪回し、次は2万2666円(1996年6月26日のバブル崩壊後の戻り高値)に挑戦する動きとなろう。


強気相場の背景は?

ちなみに、強気相場の背景には①政策対応の効果②投資企業価値の向上③日本株の出遅れ④需給の好転(新たな買い手の出現)などがある。まず、政策対応の効果だが、これについては改めて述べるまでもない。

アベノミクスの推進、異次元の金融緩和の断行は、安部政権が唱える日本再生→失われた20年の克服を円高阻止、デフレ脱却、を通じて目指すものだが、最終的に、資産インフレの創出につながる。もちろん、その過程では円安・株高になる。実際そうなっているではないか。

さらに、黒田日銀総裁による異次元の金融緩和には強烈な破壊力がある。再三指摘しているように、日銀は為替、株価との関係が深いマネタリーベース(預金通貨+日銀の当座預金残高)を激増させている。

すなわち、2013年3月の135兆円が2013年末には193兆円、2014年末には275兆円に増え、2015年末には355兆円に膨らむ見通しである。これだけではない。さらに、日銀は追加の金融緩和を準備している。2016~2017年にはマネタリーベースがGDP並みの500兆円に達するだろう。


「官製相場」は認識不足

まさに、異次元の世界である。一方、FRBは利上げの布石を着々と打っている。3月のFOMCでは利上げに向けて「忍耐強く」の文言が削除された。恐らく9月にはゼロ金利政策が解除されるだろう。これはドル高・円安要因となる。

マーケットの一部にはこの猛反騰劇を「官製相場」と酷評する向きがある。おかしな話じゃないか。政策対応の効果だけで株高が持続するはずがない。株高には投資価値の向上が不可欠である。

その投資価値の向上はどうか。企業(経営陣)はスチュワードシップコード、コーポレートガバナンス・コードの導入を受け、意識を劇的に変化させている。 要するに95兆円もの剰余金の活用である。具体的には増配、自社株買いの増加、M&A、設備投資の活発化につながっている。この動きは継続するだろう。


株主重視にカジを切る!

今回は大企業ほど動きが速い。自動車、電機の大幅ベースアップが速い。自動車、電機の大幅ベースアップ、日立 <6501> 、キャノン <7751> 、ブラザー工業 <6448> の海外企業の買収、任天堂 <7974> とディー・エヌ・エー <2432> の資本・業務提携などが好例である。

経営陣は株主重視に大きくカジを切った。実際、株主総還元額(配当+自社株買い)は2014年度が13.4兆円、2015年度が17.1兆円、2016年度が18.6兆円と激増する。これは投資価値の向上を意味している。なにしろ、TOPIX500採用銘柄ベースでは2014年3月期には8割の企業が増配を実施、2015年3月期では6割の企業が増配に進むという。


日本株は著しく出遅れ

政策対応の効果、投資価値の向上という〝追い風〟が吹きまくっているにもかかわらず、日本株の出遅れは著しい。日経平均株価は金融危機前の高値を7%強上回っているにすぎない。これの〝震源地〟だったNYダウは3割、DAX指数は5割上回っている。この修正があろう。需給面ではGPIF、3共済、かんぽ生命、ゆうちょ銀行など新たな買い手が出現している。この資金量総額454兆円に達する。これに日銀のETF買いが加わる

物色面では動兆しきりの楽天 <4755> 、ヤフー <4689> 、フィスコ <3807> 、セキュアヴェイル <3042> 、アイコムホールディングス <2372> 、コメ兵 <2780> 、オプティム <3694> 、クルーズ <2138> 、FVC <8462> などに注目できる。

テーマ的にはマイナンバー制度の導入、iPS細胞関連の医薬品開発、ネットセキュリティ、自動車の自動運転、介護ロボット、インバウンド(外国人観光客)などが話題となろう。

経済評論家 杉村富生
(記事提供: 株主手帳 )

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