終身雇用や年功序列を重んじてきた日本型雇用。企業の総合力を高めるといった見方があった一方で、サービス残業をはじめとした非効率性や低生産性の温床とも指摘されてきたが、代わりとなる新たな働き方が注目を集めている。

もともと日本型雇用は、一部で「就社」といわれるなど、職務内容を特に定めずに雇用し、企業組織の成員として雇用安定、待遇を引き換えに無限定な働き方を求めてきた「メンバーシップ型」だったとされている。

他方で、職務の内容を決めた上で、その仕事に人を貼り付け業務の存続や遂行能力で雇用待遇が決まる「ジョブ型」が海外では一般的。日本国内でもメンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ転換しなければならないという議論もある。

みずほ情報総研は、こうした雇用慣行論議を受けてこのほど、「ジョブ型・メンバーシップ型に関する意識調査」を実施。10日に、同調査の結果が公表され、企業の人事担当はジョブ型雇用を重視しており、従業員の仕事満足度も希望する職種とマッチしている場合に最も高くなっていることが明らかになっている。

また、同調査結果によると、企業の人事担当者は職種で規定するジョブ型の採用を重視。今後採用する人材の望ましい意識について尋ねたところ、新卒採用で、回答者の34.5%がジョブ型(職種)と答えた。さらに、中途採用について同様に尋ねたところ、回答者の39.4%がジョブ型(職種)と回答するなど、採用する人材の望ましい意識として、新卒・中途の双方でジョブ型が最多となった格好だ。

併せて、みずほ情報総研は、雇用タイプ別の仕事満足度も調査。結果によれば、仕事の全体満足度は「ジョブ(職種)型」が高い結果となった。同社は「「ジョブ(職種)型」の意識は、年代、企業規模によらず全体で高くなっており、ジョブ型志向が明示的な意識とはなっていない可能性はあるが、比較的浸透してきていると考えられる」と総括した。(ZUU online 編集部)

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