6月5日、安倍晋三首相は2016年G7サミット(主要7カ国首脳会議)を「伊勢志摩サミット」と名付け、三重県・賢島で開催することを発表した。

大小の島々、リアス式の海岸、伊勢神宮などがあり、各国首脳に日本の素晴らしい景色と文化、伝統を感じてほしい、との理由を挙げた。サミットの開催地は歴代の首相が選定するというのが慣例だ。安倍首相は2016年サミット開催地を最終的に決めるにあたって、メッセージ性を重視したとしている。

開催地として仙台市、新潟市、長野県軽井沢町、浜松市、名古屋市、三重県、神戸市、広島市が名乗りを上げていた。この中で特に、仙台市は国連世界防災会議の成功もあり「東日本大震災からの復興」が、また広島市は「被爆地・核兵器廃絶・平和」がアピールのポイントだった。

開催地の選定基準は警備、宿泊施設、会議場、交通アクセスなどが重要なのは言うまでもないが、開催地そのものがそのサミットのメッセージになる。今回、伊勢志摩を指名したことで、安部首相は「震災復興」や「平和」ではなく「日本の文化と伝統」というメッセージを選んだとも言える。

この「日本の文化と伝統」というメッセージは日本に加えて他国政府や他国の人々にどのように受け取られることが考えられるだろうか。