(この記事は2015年6月23日に「 Biglife21 」掲載されたものです。)
用途に見合った機能・価格の中古パソコンを提案
法人・個人向けに、中古OA・IT機器の販売・買取・修理・卸売を手がけるリングロー株式会社。パソコンやスマートフォン、タブレットなどを扱い、8割がリサイクル・リユースといった中古品だ。
「中古を活かした素晴らしきIT社会を実現する。リングロー」をブランドスローガンに、目先の利益には執着せず顧客満足を追求し、15年目を迎えようとしている。儲け主義の蔓延る業界で、理念を曲げず孤軍奮闘を続ける碇敏之社長に聞いた。
音楽活動のため、30万円のパソコンを購入
プロを目指し、音楽活動をしていた同氏。21〜22歳のころ、音楽のデータを加工・編集するために、それまで使ったことのなかったパソコンを購入する。発売されたばかりのWindows95は話題を集め、インターネットなるものが人類社会にもうひとつの世界を作り上げようとしていた。
当時、パソコンは同氏が購入した安いモデルでも30万円ほど。難しいイメージがあって敬遠していたパソコンだが、自分の音楽を世界中の人と共有できるならと、大きな投資に踏み切った。
アルバイト先での中古パソコンとの出会い
パソコンを使い始めた同氏はやがて、「パソコンを売る会社で働けば、今後自分も安く買えるのでは」との思惑から、パソコンを扱う会社でアルバイトを始める。同氏と中古パソコンとの出会いはこのときだ。
「自分が音楽を編集するのに必要なパソコンが、中古なら3万円で買えたんです。10分の1じゃないか、これはなんなんだ!と衝撃を受けました」
中古パソコンという存在自体をまったく知らなかった。見た目は多少古くなっていても、システムを入れ直せば十分に使えた。
「こういうものが世の中に広まっていない、知られていないのはいけないと思って。その時点で、中古パソコンのビジネスをしない選択肢はありませんでした。自分がやらないで誰がやるんだという使命感ですね。社会的な意義があると感じました」