産廃業に参入

その頃、人を介して出会ったのが、株式会社小池建材(東京都八王子市)の小池武則社長だ。知り合った当初から意気投合し、毎日のように会うくらい親しくなる。その小池氏があるとき始めたのが産廃業だった。はじめは産廃業がどんな仕事なのかさえも分からなかった同氏だが、工事現場から出たコンクリートやヘドロを再処理して販売し大きく稼ぐ小池氏を見て、こんな商売もあるのかと感心したという。一方で自らを省みれば、相も変わらぬ土木業で借金の返済に追われている。いつしか自分も産廃業をやってみたいと思うようになっていた。

とはいえ、借金まみれの同氏が新しい事業に手を出すのは容易ではない。しかし、小池氏は快く応援してくれた。産廃業でのビジネスの手法や廃棄物処理の技術を親身に教えてくれたばかりか、機械を買い揃える資金として自社の手形を貸してくれたという。こうして、小池氏の助力を得た準備期間を経て、木村建設は産廃事業に参入。このとき同氏は齢50を超えていた。


活きた土木業での経験

その後の業績は冒頭で紹介した通り。7箇所のプラントすべてを同氏が設計し、同社で施工したが、これを為せたのは土木業の経験があるからこそ。「地獄を何度も味わった」と振り返る土木業時代だが、現在の成功に大きく貢献している。

昨年には、引退する小池氏の希望により小池建材を買収。木村建設70名、小池建材30名の総勢100名を率いる身となった。今が一番楽しい、仕事が楽しくてしょうがないと語る同氏。多少の苦労は、辛かった土木業時代を考えれば問題にならない。80歳まで現役を貫くつもりだ。

いつ何時、どんな巡り合わせが待っているか分からない。何度も地獄を見た末に、50歳を超えて天職を得る人生もある。人には必ず、どんな過去もすべて現在に繋がると実感するときが訪れる。諦めるのがいつも自分自身であるように、未来を引き寄せるのも自分自身なのだ。(提供: Biglife21

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