創業時を含めて3回資金調達していますが、苦労された点は何でしょうか。

まだ大きな売上が上がっていない状況ですので、なかなか数字で投資家を説得することは難しく、我々が目指していること、やりたいことをきちんと伝えることに時間をかけました。売上が上がっている場合はわかりやすいのですが、残念ながらまだその段階には至っていないので。ただ売上ではないですが、KPIを定めてそれを上げていくといったことは努力しました。次回の資金調達は、これまでよりは楽にできるようにしたいですね。


逆に今回の数千万円の資金を調達できた要因はどのようにお考えですか。

一つは、KPIをきちんと定めてロジックを確立し、実現したい未来を数字で表すことができたということです。もう一つは、やってみたい、実現したいという熱意を投資家に対してきちんと伝えられたことです。特に熱量が高いうちにアクションを起こしたということがよかったのだと思います。我々はまだまだスタートアップなので、熱意や想いが重要で、アドウェイズさんとグローバル・ブレインさんは我々の想いを理解していただいたので出資していただけたと思っています。特にアドウェイズさんは広告・分析の会社なので、今後事業シナジーがあると思っていただいています。


貴社のサービスについてお話いただけますか。

「SLASH-7」と「LOGBOOK」という2つのサービスがあります。「SLASH-7」はユーザー一人ひとりが定着しているかどうか、細かく測定する行動分析ツールで、最初に提供を始めたサービスです。お使いいただいているお客様には細かいデータまで取れる点などを評価いただいているのですが、仮説を自分で立てる必要があり、細かいところまでいろいろやらないといけないので難しいという声も一方で少なくありませんでした。いくつかの企業と話をして気づいたこととして、そもそも何を見たらいいのか、何をしたらいいのか、という点で悩まれる方が以外と多いということでした。であれば、どこを見て何をすればいいか簡単にわかる仕組みのほうが喜ばれるだろうと考えて開発したのが「LOGBOOK」です。

「LOGBOOK」はアプリからデータを受け取り、サービスの課題を発見し、対応施策を提案するサービスです。特長としては、1)簡単に導入できる、2)初心者でも使いこなせる、3)アルファ版の期間は無料で使える、という3点です。特に初心者でも使いこなせるという点については、簡単な質問に答えるだけで計測すべき指標を自動生成し、その指標のうち課題があるものをピックアップし、課題に対する施策を提案するといったものです。指標の例を挙げると、eコマースの場合は「ユーザーが商品購入後30日以内に再度購入した比率」、掲示板サービスのようなCGM(Consumer Generated Media コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア:インターネットなどを活用して消費者がコンテンツを生成していくメディア)の場合は「ユーザー登録後7日以内にコメント投稿を行った比率」といったものが、いくつかの質問に答えると自動的に生成されるのです。施策の提案については、現時点では施策に関する記事や対応サービスの紹介などですが、将来的には高度な自動コンサルテーションといったものを目指しています。