IFA 2008 Consumer Electronics Trade Fair
(写真=Thinkstock/Getty Images)

不適切会計問題がいまだ尾を引く東芝。今年3月の問題発覚以降、すでに4ヶ月以上が経過しようとしている。当初はすぐにでも原因解明かと考えられたが、原因どころかいまだに全容解明すら難しいようだ。

すでに複数のメディアで田中久雄社長や前社長の佐々木則夫副会長らが不適切会計に直接関与した可能性について報じられており、経営陣の刷新は避けられない見通しとなった。

何がここまで東芝を狂わせたのか。


東芝の不適切会計処理方法

6月25日に開催された定時株主総会上では、不適切会計の具体的な手法が明らかとなった。それによれば、主な不適切会計処理は4点だ。

まず、請負工事契約に関し、実現が難しい数字をもとにコストを試算。さらに追加工事が行われても、コストに含めて計算をしないということが行われた。

請負工事の会計処理をする際は、完全に工事が完成してから売上と原価を計算する方法(工事完成基準)と、工事期間の途中でそこまでに行われている工事の進捗度合に応じて売上と原価を計算する方法(工事進行基準)とがある。

年度をまたがって行われる工事の場合は、工事進行基準の方が業績を測定しやすく、好まれる方法となっている。工事の進捗度合を測る際、工事全体にかかるであろうコストが、途中までかかったコストの割合をもとに計算される。「工事全体にかかるであろうコスト」を見積もる際に、非常に厳しい実現不可能かつ理想的なコストを基準としたため、収益が上振れして計上される処理となっている。

また、テレビなどを扱う映像事業において、クライアントからの請求が遅れていることを理由に、かかった販促費や広告宣伝費の計上時期を遅らせたり、ベンダーとの間で値引契約を締結しておき、翌年度以降にその分を割増させるといった方法もとられた。結果として総額でのコストは変わらないため、ベンダーは不利益を被らないが、東芝としては費用を先送りしているだけにすぎない。

半導体事業では、自社で製造した製品在庫の原価が当初想定したものよりも膨らんでも、当初のまま変更しなかったり、在庫自体の価値が下がったにも関わらず評価損を計上しないといった処理が行われた。

さらにパソコン事業では、自社で一括して仕入れた部品を製造委託先に販売している。通常であれば仕入値で販売するものだが、これを仕入値よりも高く販売することで利益を計上している。ただし、製造委託先で製品が完成すれば再び東芝が製造委託先から購入することになるため、一種の循環取引ともいえる処理となっている。

これらの不適切会計の影響は、総額で500億円を超える規模となっている。また単年度だけのものではなく、2006年度から行われていたとの報道もある。