東芝は変われるか
不適切会計はそもそも、証券取引等監視委員会から受けた報告命令により問題が発覚したもの。東芝の関係者から監視委に対する通報を受けての命令だったようだ。いまだ不明な点が多く、全容解明は7月中旬になる可能性が高い。
不適切会計を防ぐ有効な手段は、適正な内部統制の確立だ。内部統制とは、業務を行うもの同士が適当な距離感をもって相互にチェックしあう仕組み。うまく機能すれば、不正は生じない。しかし、内部統制を破壊するのも簡単で、お互いが意図を汲んでチェックを逃れるような方法を取ればいい。
さらには関係ない部署による抜き打ちチェックも有効だが、それらの部署までも意図を汲むような雰囲気が社内にあれば、容易にチェックをスルーすることが可能だ。
東芝は2003年に過半数が社外取締役が構成される「委員会等設置会社」に移行するなど、早い段階から透明性の高い企業統治を進めてきたはずだったが、内部統制がうまく機能しない雰囲気があった可能性が高い。
一部報道では、経営陣から計画未達の担当者に対し「工夫しろ」と圧力をかけたとされており、事実上の「会計操作」に対する指示だったとされている。経営トップの責任も厳しく問われることになりそうだ。
一連の報道を受けて、ライブドア事件で逮捕・起訴された堀江貴文氏は「私もなんとかしろ的な発言で粉飾の指示を受けたと思ったと元部下に証言されたことが有罪の大きな決め手となりました」
「なので、今後これは営業努力を合法的にしろってことで粉飾しろとかいうことじゃないよっていうように心掛けてますよ」とツイートしているように、重責を担う組織のトップが「そういうつもりはなかった」では済まされない。
今後、不適切会計を二度と繰り返さないためにも、内部統制の構築責任は経営トップにある。そのためには全容解明が待たれる。経営陣の刷新だけではなく、新たな内部統制の体制構築が望まれる。東芝が本気で変われるか、それが問われる時だ。(ZUU online 編集部)
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