働きたい企業
(写真=PIXTA)

総合人材サービスの株式会社インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」が6月8日、「DODA転職人気企業ランキング2015」を発表した。22~39歳のビジネスパーソン5,161人を対象に、「転職したい会社」を調査。

大手企業では円安や株高、インバウンド消費などによる景気回復で、人材雇用面でも賃金上昇や採用拡大の動きが広がっている。新卒はいよいよ売り手市場に突入し、転職市場にもたらされる活気が期待されるところだろう。ビジネスパーソンから支持を集めているのはどんな企業なのだろうか。

トヨタがトップに返り咲き

ブランド力のある総合商社や生活に身近なIT・通信、サービス、運輸などの企業は相変わらず人気が堅調だ。1位には、2年連続で営業利益・純利益ともに過去最高業績となった絶好調のトヨタ自動車 <7203> が昨年2位からトップに返り咲いた。2位は昨年トップだったグーグル。

トヨタは昨年、女性技術者のための育成基金を設立。ダイバーシティ(雇用の多様性)の推進や、若手に手厚くする賃金制度改革に乗り出すなど、女性や若手のキャリア支援にも積極的に取り組んでいる。その動きが支持拡大につながり、男女ともに総得票数でグーグルを抜いた。その影響か、デンソー <6902> も大幅ランクアップ。ホンダ技研 <7267> や日産自動車 <7201> など、50位以内にランクインしている自動車メーカーは業績好調を受けて順位を上げている。

ヤフーやクックパッドがランクアップ

また、ヤフー <4689> やクックパッド <2193> など、メディア関連の企業のランクアップも目立つ。50位圏外だが、LINEも昨年の130位から64位に大躍進している。Apple WatchやApple Musicなど話題の新製品やサービスを続々投入し、未だブランド力が衰えないApple Japanが3年ぶりにトップ10入りしたのも注目だろう。

上位に入った企業は男女共に支持を集めているが、男女別で見ると、女性には美容部員の正社員化を発表した資生堂  <4911> やオリエンタルランド <4661> 、P&Gなど、女性にも働きやすい職場環境を積極的に推進している企業の人気が高く、男性には、ソニー <6758> を筆頭に業績的には厳しい状況ではある家電メーカーが、根強いブランド力で人気だった。

ワーク・ライフ・バランスを徹底した働き方で「日本一社員が幸せな会社」として話題になった電気設備資材製造の未来工業が、名だたる大企業を抑えて43位にランクアップしている点も興味深い。

ベネッセや東芝がランクを下げる

逆にランクダウンしたのは、顧客情報流出が発覚したベネッセ-コーポレーション <9783> や、不適切会計問題を抱えている東芝 <6502> 。ネガティブ要素が影響したといえるだろう。JTBやタニタも順位を大幅に下げ、これまでの強いブランド力に少し陰りが見えている。

転職ランキングは新卒者が選ぶ人気企業とは異なり、会社名やイメージ、業績だけでなく、働き方や職場環境、人材に対する戦略など、企業が発信する雇用方針や経営の方向性なども踏まえて総合的に選んでいることがうかがえる。不況を体験してきた20、30代の若者は、アベノミクスでも浮足立つことなく、堅実に現実的に、「自分の働き方」という視点から価値の高い企業を見定めているのだろう。

50位までのランキングは以下の通りである。
(カッコ内は昨年順位)

1位(2) トヨタ自動車
2位(1) グーグル
3位(3) ソニー
4位(5) 全日本空輸(ANA)
5位(6) オリエンタルランド
6位(17) Apple Japan
7位(10) 本田技研工業(Honda)
8位(8) パナソニック
9位(9) 資生堂
10位(15) サントリーホールディングス
11位(12) 楽天
12位(4) リクルートホールディングス
13位(7) 三菱商事
14位(11) 電通
15位(14) 東日本旅客鉄道(JR東日本)
16位(36) ヤフー
17位(29) 日立製作所
18位(26) 日本航空(JAL)
19位(19) 任天堂
20位(18) 日本マイクロソフト
21位(27) プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)
22位(33) キーエンス
23位(22) 武田薬品工業
24位(38) デンソー
25位(53) キヤノン
26位(49) 三井物産
27位(34) フジテレビジョン
28位(25) アマゾン ジャパン
29位(30) 明治
30位(51) 東海旅客鉄道(JR東海)
31位(23) 花王
32位(46) 三菱重工業
33位(21) ソフトバンク
34位(81) 日産自動車
35位(91) 三菱東京UFJ銀行
36位(35) 伊藤忠商事
37位(65) NTTドコモ
38位(24) タニタ
39位(41) NTTデータ
40位(16) ジェイティービー(JTB)
41位(28) 日本アイ・ビー・エム
42位(31) 味の素
43位(50) 未来工業
44位(59) クックパッド
45位(32) サイバーエージェント
46位(20) 東芝
47位(70) カゴメ
48位(13) ベネッセコーポレーション
49位(61) マツダ
50位(58) 博報堂

(ZUU online 編集部)