デフォルト認定をするのは格付機関

6月末に期限を迎えた債務についての、ギリシャのデフォルトの認定にあたっては、ユーロ圏の金融を統括する欧州中央銀行(ECB)や、ギリシャに直接的に資金を貸し付けていたIMFが関わっていると考えられる。

また、ISDA(International Swap and Derivatives Association)、日本名では国際スワップ・デリバティブ協会による認定も重視される。同協会の判断がCDSの支払いに大きな影響力をもつからだ。ISDAの会員が合意した事項に関しては、強制力を持たない業界のベストプラクティスとして公表されるが、多くは業界関係者のみならず、各国規制当局や他の業界団体との密接な対話を経て形成されることなどから、事実上の世界標準として機能している。

デフォルトを認定する基準は組織や機関など、それぞれで異なる。まず一般的に我々が目にするのは格付け機関によるデフォルト認定だ。2011年のギリシャ危機の際にもS&Pをはじめとする世界的な格付け会社が、債務の減免やリスケジュールの実施でも、デフォルトと認識するとの可能性について頻繁にコメントを提示して注目された。

このようにデフォルトは、それぞれの関連機関が独自の判断を下すのが特徴だ。関連した保険の支払いといった実務取引にも大きな影響を与えるなどの理由があるからだが、それだけに一言では決められない難しさが内在している。