一時的遅延は必ずしもデフォルトにならない?

過去のデフォルトの事例からみると実に多様な判断が下されている。格付け会社のムーディーズはデフォルトの定義をめぐって、「投資家が自身の保有する債券の支払いが遅延するプランについて参加するプレッシャーを感じないのであれば、債権の元利自身の遅延は必ずしもデフォルトを構成しない」と定義し、2011年当時でも注目された。

今回のIMFの、返済の不払いを「遅延」とみなす判断に近いものがあり、IMF自身が寛容に判断すればデフォルトには該当しないことになる。他方で、ナーバスな債権者も存在する。自主的な債券の乗換えであれ、デフォルト・スワップ(CDS)の購入者から、デフォルトであると訴えられる可能性もある。実際にこれが認められた判例も存在する。


デフォルトはIMF、EU次第というフレキシブルな状況

見てきたように、デフォルトには唯一無二の要件定義が存在するわけではない。そのことがお分かりいただけただろう。特に、政府系機関が債権者となっている場合は、その債権者の意向でデフォルトにすることも、しないことも判断できる余地が残されている。

実際に、主要格付け会社3社も、今回のギリシャ政府からのIMFへの不払いが正式なデフォルトに街頭しないとの見解を示している。

さらには、こうした債務不履行による過去の事例でもIMFがデフォルトとみなしたのは実際の不履行から1カ月あまり後であり、今回のギリシャのケースもデフォルト判断がでるとしても1カ月以上はかかりそうだ。

ジンバブエとスーダン、ソマリアらも、IMFから資金の融資を受けたものの結局、今日に至るまで滞納国として存在し続けており、さまざまなデフォルトの形があると言えそうだ。(ZUU online 編集部)

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