きょうの高慢な偏見:利上げされざるでも大幅下落せざる?ZAR
ドル/円は、米利上げ開始に向けたドル高シナリオの一方、日銀の追加緩和期待の後退が円安を限定し、かつ124円台半ばでは政府・日銀の円安牽制リスクが意識されることから、本日も日米重要材料が少ない中で124円前後での方向感ない推移が続きそうだ。
なお、本邦6月通関貿易収支は季節調整前では458億円の小幅黒字転化が予想されているが、季節調整済みでは-2600億円へ赤字が拡大する予想となっており、為替市場は反応しにくいだろう。
ユーロ/ドルも欧米材料が少なく、21日の大幅反発で一旦下落トレンドが一服し、1.08ドルでの底堅さが意識されてきていることから、1.09ドル台前半を中心とした推移となりそうだ。
豪ドル/米ドルは、目先はコモディティ安・米ドル高が市場のテーマとなりそうで、7月20日の年初来安値(0.7328ドル)を睨んだ軟調な展開が続きそうだ。
南アランド関連では昨日の南アCPIに続きSARB金融政策会合が注目だ(結果発表時刻は未定だが、22:20~25分発表が多い)。予想中央値は25bps利上げだが、5.75%での据え置き予想も多く市場の見方は割れている。
もっとも、昨日のCPIが総合(前年比+4.7%)、コア(+5.5%)といずれも市場予想を大きく下回ったことから、利上げ見送りリスクを意識した展開となりそうで、ランド安リスクに注意したい。
但し、インフレ率上昇傾向は変わっていないと見られる中で今後の利上げの必要性は高く、今回見送りでもランド安は限定的となりそうだ。
市場では来年7-9月期に向けて政策金利が6.75%へ100bps程度引き上げられると予想されている。因みに、前回5月21日の会合では、政策委員6名中、4名が据え置き、2名が25bps利上げを主張していた。
山本雅文(やまもと・まさふみ)
マネックス証券
シニア・ストラテジスト
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