「顧客との感動体験の共有」が重要

しかし、好調なセレクトショップもある。エニグモ <3665> が運営する服飾中心のソーシャル通販サイト『BUYMA(バイマ)』だ。

“セレクトショップ”と位置付けらるこのサイトは、個人がバイヤーとなって世界中の話題のアイテムを出品、販売ができるソーシャル・ショッピング・サイト。収入源は、バイヤー及び購入者からの利用手数料だ。会員数は250万人を突破、ROE(自己資本比率)は30%を超え、2015年7月時価総額は一時300億を突破、海外ブランド品以外にも、購入しやすい低価格品を取り扱い、増収を続けている。

BUYMAが上手くいった理由は、“顧客との感動体験の共有”にある。パーソナルショッパーと呼ばれるバイヤーがセレクトショップのような機能を果たし、自分に合ったバイヤーとつながることで、世界中から自分の嗜好にあった商品を集めることができる。

さらには商品到着時、心がこもったメッセージカードやラッピング、商品バイイング秘話などのおまけがついてくることもあり、バイヤーとの距離が近く感じられ、「感動する体験が心に響て単に店舗で買うより面白い」といった声も上がっている。

情報も商品も溢れている今の時代、ただ単にモノを売るだけの企業は生きていけない。大事なのは、“顧客との感動体験の共有”だ。リアル店舗で、そしてネットで、どのように顧客との感動体験を共有していくのかが腕の見せ所なのだ。

ユナイテッドアローズが8月に発表した2015年4-6月期の連結決算は、経常利益が前年同期比7%減の27億円、売上高は8%増の320億円だった。夏物衣料の販売が好調な半面、アウトレット店舗の値引き販売が足をひっぱった。

勝ち組といわれてきたユナイテッドアローズは、どう踏ん張りをみせるのだろうか。(ZUU online 編集部)