ホワイトスペース活用で通話料は引き下げられるか?

ホワイトスペースとは、放送用電波のうち、放送局に割り当てられているにも関わらず、使用されていない、「空き周波数帯」のことだ。テレビやラジオ、通信などのために電波を使用するにあたっては、電波の公平かつ能率的な利用を確保するために、放送局(電波の使用者)の使用する帯域を割り振っているという背景がある。この電波は従来、高密度で使用されているから、ほとんど空きがないというのが一般的な認識であった。

しかし、実際には、テレビ放送用の電波は空きだらけだとわかってきたのだ。そこで、この空きスペースを有効活用しようという意見が専門家の間で持ち上がっているのである。利用できる電波の量が増えることで、携帯電話大手3社のほかに新たに携帯電話会社(MNO: Mobile Network Operator)の参入が促されるほか、通話・通信料の引き下げへの好影響も見込まれるからだ。

ただし、ホワイトスペースは地域によって空きスペースが異なる周波数帯になるため、GPS機能を利用して、通信機器の方で地域にあわせた周波数に切り替えるといった工夫が必要になるなど、いくつかのテクニカルな問題をクリアしなければならないという事情もある。

いずれにしても、携帯電話の通話料金は、今後さらに引き下げられていくことが予想され、大手携帯3社の収益悪化を懸念する株主は多い。また、総務省が年内をめどに結論を出すとされる『携帯電話料金の引き下げ策』次第では、各社の株価はさらに下落することも予想される。そうなると、通話料金の減収をどのようなかたちで補っていくかに株主の関心が集まるだろう。 今後の携帯電話大手3社の動向から目が離せなくなりそうだ。(ZUU online 編集部)

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