先週の国内株式市場は、シルバーウィークだったため、23日までは休場。24日の東京株式市場は、連休中に海外株が下落していたこともあり、大幅に下落して始まり、安倍首相の記者会見やイエレンFRB議長の講演を控えていることで、積極的な売買が行われなかった。
日経平均株価は、前週末比498円38銭安の1万7571円83銭で大引けとなった。また、個別銘柄では、フォルクスワーゲンの排ガス規制不正問題から、排ガス浄化装置の日本ガイシ <5333> などが売られた。
25日の東京株式市場は、イエレンFRB議長が改めて年内利上げに肯定的な発言をしたことや、安倍首相と黒田日銀総裁の会談から、追加金融緩和期待も台頭し、ドル円相場が円安に傾いたことから、日経平均株価は、前日比308円68銭高の1万7880円51銭で取引を終えた。
個別銘柄では、前日に引き続き、フォルクスワーゲン排ガス規制問題から日本ガイシが売られた。また、上半期の営業赤字観測が伝わったシャープ <6753> も大幅安となった。
今週の株式展望
今週注目される経済指標は、30日発表の8月鉱工業生産、米9月ADP雇用統計、米9月シカゴ購買部教会景気指数、1日の9月調査日銀短観、中国9月製造業PMI、米9月ISM製造業景況指数、2日の8月家計調査、米9月雇用統計などである。
日銀短観の内容次第では、さらなる緩和期待の台頭が考えられる。また、中国は国慶節のため7日まで休場となるため注意したい。
イエレンFRB議長が年内利上げ発言を行ったことで、過度に悲観的な見方は後退した。さらに、国内消費者物価指数(コアCPI)が原油価格の下落などから、昨年同月比で0.1%下回った。これは、2年4ヵ月ぶりである。
安倍首相と黒田日銀総裁が足元の「経済情勢について意見交換を行った」もので、追加緩和等の要請はなかったと語っていたものの、緩和期待が高まっている状況にある。
また、テクニカル面では、先週に引き続き、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が-2σ付近で、週足14週のRSIにおいても、30%台と割安感が続いている。ボリンジャーバンドが広がっていく過程であるため、あまり強気化すべきではないものの、物価下落による緩和期待と米利上げ期待を考慮すれば、買いで考えるべきだろう。
ただし、為替が円安に進んでいる状況下でも、フォルクスワーゲン問題から自動車関連株などがさえない展開となることが想定される。また、中国のPMIの発表も予定されていることから、結果次第では、再びリスクオフムードとなる可能性もある。
なにより、今週は雇用統計があるため、その結果自体は今週の日本株には影響しないものの、ポジション調整の動きや売買を手控える流れを考えるべきだろう。以上を考慮すれば、やや強気程度で考えるのが妥当である。(ZUU online 編集部)
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