(写真=ZUU online編集部)
8月の売上高は前年同月比で19カ月ぶりプラスだが、実質はマイナス
日本マクドナルドホールディングス <2702> の8月既存店売上高は、前年同月比2.8%増と2014年1月以来19カ月ぶりプラスとなりました。とはいえ、比較対象の昨年8月は期限切れ鶏肉使用問題の影響で、マイナス25.1%と2014年でも最も大きく落ち込んだ月。2013年8月との比較ではマイナス23.7%です。
客数(既存店ベース)は前年同月比3.3%減で、2013年5月以来28カ月連続のマイナス。一方の客単価は2014年6月以来14カ月ぶりに同プラス6.3%を記録しました。「アボカドバーガー」3商品を期間限定で投入し、価格を定番品よりも高めで設定したことが、客単価を引き上げた主要因でした。
売上高と客数は実質マイナスという現状を「世間の厳しい評価が続いている」と見るべきなのか。あるいは客単価アップ6.3%を業績回復への兆しと解釈していいのでしょうか。
異物混入、広がる不信——その対策でマックがしたこと
今年は1月にビニール片などの異物混入事案が相次ぎ発覚。発生後の会見がトップ不在で行われたり、幹部が会見で「対応は適切だと思っている」と発言したりと、マスコミでもSNS上でもたたかれ大騒ぎになってしまいました。
不信感がやっと薄れてきた矢先の9月4日、大阪の店舗で新たな異物混入事案が起きます。しかし今度は1月の時のように慌てることなく対応、マスコミでも大きく取り上げられることがほとんどなく収束しました。
なぜここまで変わることができたでしょうか。それは2月発表の施策『お客様対応プロセス・タスクフォース設置』と、そこからつながる4月の『ビジネスリカバリープラン』の成果と言えます。