「買いやすい相場」の終わりが近づきつつある?

最後に、足元の東京株式市場は、投資家心理の視点からみて「買いにくい」のか「買いやすい」のかを考えておきたい。

6月下旬に日経平均株価は2万1000円を回復する目前まで上昇したが、最近は1万7000円割れとなるなど、直近高値から4000円程度の下落を強いられている。このことから、割高感はほぼ解消したと言っていい。投資家心理でみれば「買いにくさ」より「買いやすさ」の方が強い状態にある。「買いやすい相場は安い」という格言通り、売りが優勢で、上昇する場合でも長続きしない状況だろう。

ただし、上場企業の業績は、円安や原油価格下落でおおむね改善基調にある。ファンダメンタルズだけを考えた場合、一段と大きく売り込まれる可能性は乏しい。8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除くコア指数が2年4カ月ぶりのマイナスとなった。コア指数は日銀の金融政策の指標であり、追加金融緩和への期待が高まるのは間違いない。実際に追加緩和が実施されれば、日経平均株価が押し上げられると見込まれる。さらに、例年11月以降はヘッジファンドなど短期筋の新規買いが入りやすく、相場が上昇に転じやすいタイミングでもある。

以上、あえて上昇につながる手掛かり材料を並べてみた。現在、東京株式市場では、順張りで買う投資家にとってはチャンスの少ない、「買いやすい相場は安い」という格言通りの相場が続いている。一方、逆張りの投資家にとっては、ある程度の戻りを期待してリスクを取りにいく局面が到来している。以上のことを総合して考えると、年末に向けて「買いやすい相場」が終了するタイミングが近づきつつあるのではなかろうか。 (ZUU online 編集部)

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