ふるさと納税

(写真=PIXTA)

節税やお礼の品といったメリットによりかなり認知度が高まっている「ふるさと納税」。政府は2016年度、ふるさと納税の「企業版」の創設を検討しており、節税対策として利用を検討している事業者もいるかもしれない。一方、「本当に企業活動上のメリットがあるのか」「工場誘致や官民癒着の原因になるのではないか」という懸念の声も聞かれる。そもそも、企業版ふるさと納税とはどういうものなのだろうか。また、どういう特徴があるのだろうか。詳しくみていきたい。

企業版ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税は「納税」という名称であるが、個人版でも企業版でも、住民税の納付ではなく、「寄附金」制度のひとつである。地方自治体の事業に寄附した企業に対して、法人税や法人住民税を安くするというものである。現時点での法人税法上の寄附金制度は次のようになっている。

(1) 原則、寄附金は、法人の事業と関連のない支出であるため、法人税法上の経費にはならないと考える(寄附金の損金不算入)。ただし、公共性の高さや政策的意図がある場合については、一部例外となる。

(2) 寄付金は次の4つに分ける。また、取り扱いも、それぞれの区分ごとに定められている。
①国又は地方公共団体に対する寄附金…全額、法人税法上の経費になる。
②財務大臣が指定した寄附金(赤い羽根共同募金など)…全額、法人税法上の経費になる。
③特定公益増進法人に対する寄附金(日本赤十字社や認定NPOなど)…一部、法人税法上の経費になる。
④①~③以外の寄附金(神社や町内会への寄附など)…一部、法人税法上の寄附金になる。

企業がふるさと納税を行った場合は「地方公共団体に対する寄附金」に該当するので①となる。そのため、全額が損金算入される。現在の法人税の実効税率は30%なので、仮に100万円寄附すると、30万円が経費として認められることになる。

今回の税制改正案で、企業版ふるさと納税は損金算入できる枠を2倍にすることが検討されている。つまり、先の例でいうなら経費算入できるのが30万円ではなく60万円になる。