③持株会社を解消する「マルハニチロ」

マルハニチロは日本で有数の大手水産会社です。
グループ再編は2004年、水産加工食品の製造会社マルハの持株会社としてマルハグループ本社が設立されたことに始まります。次いで2007年に水産食品会社ニチロとの経営統合によりマルハニチロホールディングスが誕生しました。しかし、昨年3月15日に子会社5社と合併、持株会社体制を廃止し事業会社に移行すると発表。今年4月1日に「マルハニチロ株式会社」として船出しています。
一番大きな目的は重複業務を減らし経営判断を迅速化させることです。
そのため、本業の水産・食品事業を中核として強靭な体質への転換と経営効率の改善が見込まれます。

これらの狙いからも分かるように、持株会社体制の恩恵が無かったために解消した訳ではありません。
買収や合併に便利な持株会社のメリットを十二分に享受したことは、プレスリリースにある「統合の仕上げ」との表現からも読み取ることが出来ます。


◎企業グループの再編が日本経済を牽引する

1997年の持株会社制度の解禁以降、持株会社体制の導入により多くのグループ会社が誕生、日本経済牽引の原動力となってきました。様々な思惑や背景はありますが経営の底流にあるのは企業価値の最大化であり、その中核である組織づくりの失敗は倒産に直結します。このことからも持株会社設立や解消での企業グループ再編は、今後も日本経済躍進の大きなターニングポイントと言えるでしょう。
株式移転・株式交換、合併などで行われるグループ再編は上場会社であれば東証や証券会社のホームページでもすぐに確認することができます。是非とも注目してみて下さい。

BYれすぽ:長年勤めた証券業界での知識と経験を生かし現在はフリーランスライターとして活動中

photo ケンタッキーフライドチキンHP