専門家が薦める遺言書とは

相続をめぐるトラブルの原因の大半は被相続人の最終意思がはっきりしていないことにある。そこで、相続をしたい人が明確に意思を伝え、遺族が円満に相続を進める最も有効な手段として遺言がある。

遺言には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類がある。遺言者の真意を確認すると同時に、後の変造・偽造を防ぐために厳格な形式・方式が定められている。定められた形式・方式が守られていない場合、無効とされることもある。

この3種類の中で多くの専門家は公正証書遺言を薦めている。公正証書遺言では必ず専門家のチェックが入るため、形式が整わず無効となる可能性が極めて低いからである。紛失や偽造、改ざんの危険性がなく、相続をめぐる争いが裁判まで発展した場合には公正証書遺言の証拠能力が高いとされている。

最近では金融機関も積極的に相続関連のビジネスを強化している。単に遺言書を作成するだけではなく、遺産分割手続きの実施までサポートしてくれる。


相続ビジネスが熱を帯びる

遺言書の作成件数は年々増加しており、2013年にはついに10万件の大台を超えたとされる。ここ数年は今年1月からの相続増税を見越しての駆け込み需要だったと思われるが、相続の発生件数全体からみると、遺言書が書かれた件数の割合はまだまだ少ないとの分析もある。

「遺言控除」をきっかけに、今後、さらに遺言に対する関心が高まるとともに、相続関連ビジネスも熱を帯びてくることだろう。ただし、公正証書遺言を作成したり、金融機関で相続に関するサービスを利用したりするためにはコストがかかるため、「遺言控除」を使う際には、どれだけのメリットがあるのかをきちんと確認する必要があるだろう。(ZUU online 編集部)

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