アフリカは今、開発ラッシュだ。世界最大の米会計事務所、デロイト・トウシュ・トーマツが発表した『アフリカ建築トレンドレポート2014(African Construction Trends Report 2014)』によると、2014年にアフリカ大陸全体において建設中の大規模プロジェクトは総額で3260億ドル以上に上るという。これは前年比46%の増加だ。

さらに同レポートによると、アフリカ大陸全体における経済成長率は、2015年には5.7%に上昇する見通しだ。これは大規模なエネルギー計画やインフラ計画により押し上げられたものだ。

また米非営利団体の人口問題研究所(PRB)が最近発表した年次予測によると、アフリカの人口は2015年には現在の2倍の24億7000万人に達する見通しである。現在、アフリカでは中間層が急速に拡大し、社会インフラ整備の需要が着実に膨らんでいるが、今後も需要が増え続けるだろう。

「未来都市」をほうふつとさせるアフリカのメガプロジェクトを3つ、以下に紹介したい。


「高さ540メートル!」

アルヌール・タワー(モロッコ)

(写真=HPより、 Valode & Pistre)

アルヌール・タワーはモロッコ北部の都市、タンジールに建設予定の高層ビル。計画によれば、同ビルはアフリカ54カ国にちなんで高さは540メートルとなり、アフリカで最も高い建物となる。これは、日本一高いビル「あべのハルカス」の1.8倍の高さに当たる。

総工費10億ドルに上る同タワーは、ドバイの建設会社、ミドル・イースト・ディベロプメントLLC(Middle East Development LLC)が施工を行い、設計はフランスの建築事務所、ヴァロド・エ・ピストルが手掛ける。114階建ての同ビルは、7つ星ホテル、会議場、オフィス、商業施設、マンションなどで構成される予定だ。

また同ビルは、ミドル・イースト・ディベロップメントLLCの会長、タレク・ビンラディン氏所有だが、同会長はアルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者の異母兄弟に当たるとされる。


「千代田区より広い」

モッダーフォンテインの未来都市(南ア共和国)

モッダーフォンテインは、南アフリカ共和国最大の都市ヨハネスブルグの郊外にある村だが、今年9月22日、ここに総工費65億ドルの未来都市の建設が始まった。完成には15年から20年程度を要する見通し。設計・施工は、中国の建設会社、上海証大房地産有限公司 が行う。

この未来都市の総面積は13平方キロメートルだが、この面積は東京・千代田区の総面積より少し大きいことを考えると、いかに大きいかがわかるだろう。

この都市には、複合商業施設や共同住宅、工業団地などが建設され、モッダーフォンテインは文化や娯楽の中心地へと生まれ変わる予定だ。また、この都市が完成すれば20万人分の雇用が創出され、10万人分の住宅が供給される見通し。


「平均所得アフリカ最高水準の小さな島国」

海底油田開発(モーリシャス共和国)

モーリシャス共和国は、アフリカ大陸の東に浮かぶ小さな島国で、インド系住民が過半数を占める多民族国家だ。また、国民1人当たりの平均所得はアフリカで最高水準であり、経済的に比較的豊かな国である。

さてCNNによると、この小国で近々海底油田開発が開始される予定だ。開発はインドの石油精製大手、マンガロール石油精製化学(MRPL)が行う。総事業費は20億ドルに達する見通し。

雄大な自然に恵まれながらも、近代的な建物も増え続けるアフリカ。魅力的な同大陸から今後も目が離せない。(ZUU online 編集部)

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