先行き不透明で信用売りも仕掛けにくい

現在の日経平均株価の動きは、高値と安値の間が広がった「もちあい相場」となりつつある。安値圏である1万7000円台で売り物を消化する底値鍛練が続いている。仮にこの水準で株を買ったとしても、あまり値幅は取れそうにない相場つきだ。かつてのような買い安心感が広がる相場は、当分の間は到来しないだろう。

一方で、「売り安心感」がある相場かというと、それも違う。直近の日本株の下落は、海外のリスクオフ要因を受けた利益確定売りや調整売りが主因であり、景気や企業業績が悪化したためではないからだ。

8月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いたコア指数が2年4カ月ぶりにマイナスに転じた。このため、日銀が追加金融緩和に動く可能性が強まった。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果次第で、株価が急速に値を戻す可能性も捨てきれない。信用売りをする投資家が、枕を高くして寝られる保証はない。


慎重に利益を取りに行く姿勢が大切

いまの株式相場では、安心感を捨て、株価の先行きは本来読めないものであるという諦念を持ち、石橋をたたいて渡るかのような投資術が求められているのではないか。

利食いは千人の見方を得たのと同じという意味の「利食い千人力」や、少しくらいの損であれば大損をする前にさっさと売りなさいという「見切り千両」という格言こそが生きる相場だろう。他にも、投資は慎重に行うべきだという意味の「売り買いを一度にするは無分別、二度に買うべし、二度に売るべし」という格言もある。安易に安心感を持たず、慎重に利益を取りにいく姿勢を心掛けたい。(ZUU online 編集部)

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